みほみほ

ブラック・クランズマンのみほみほのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.7
🖤2020年54本目🖤

題材的に重いのかと思っていたけど、主人公の黒人さんのキャラクターのお陰でそんな事もなく、普通に観れた。

電話越しで白人になりすます黒人警官と白人至上主義者(KKK)のやり取りが面白い。差別意識に存在する根拠のない決めつけにクスクスと笑うばかり。こうやって双方を見れると感情移入する事もなくて、フラットに見れるから不思議。
幾度となく流れるBGMの哀愁感がなかなかいい。

何故そこまで黒人に対しての嫌悪感を危険な行動に移せるのかが謎で仕方ないんだけど、それはアメリカの 合衆国であるという多国籍の人が共存する社会に問題があると思うので、根深い差別に対しての対策って考えてみても簡単には浮かばない。

恨み虐げ排除しようとする原動力が全くわからないし、同じ事をしても白人と黒人とで評決が変わるのもおかしい。

その文化の発端は何なのか、国の始まりにあるのか……

この映画は割と最近の事を描いているが、今なお続いていると思うと恐ろしくて仕方ない。

一昔前の映画だと、黒人がリンチされ首を吊られて火を着けられる そんな光景を目の当たりにして、大きなショックを受けたが、今も密かにKKKが活動していると思うと、人間の愚かさを恨むしかないし…そんな白人至上主義者にも愛する家族がいるという事実がやはり私には受け入れ難い。

劇中で黒人に対する思想を沢山見たけれど、あまりに理解できないので感情がよく分からなかった。

そりゃ極悪な怖い黒人も居るけど、極悪な白人もいる訳で、日本人もそうだし、それを一部の人に当てはめて 黒人はそうだと言われると、残りの善良な黒人の生活はどうなるわけ??となる。

差別の裏には根深い思想があるので、完璧に排除するのは難しいと思うので、潜入捜査という形で危険分子を釣り上げていくしかないのかもしれないね。

日本みたいな小さな島国でも差別が強い(特に昔は)んだから、アメリカ規模になると想像を絶するよね。

その場その場でルールも変わっていくし、劇中で見た評決を受けた黒人のその後の仕打ちを聞かされてやるせなくなった。人間って怖い。普通の怒りから来る過激な思想ではなくて、元々危険思想のある人を見分けられたらいいのに。(これはこれで差別か??)

今作では白人至上主義者の皆さんも随分だったけど、黒人の組織を引っ張る人達もなかなか差別してた感じが出てて、お互い様なところにあの黒人警官が居たので、中立的な立場から見ることが出来た。

ほほう……アメリカ版のオールドボーイと同じ監督さんなのか。

やはり最後に本物の映像が来るとしんどいね。思わず泣きました。悲劇は極力起こらないで欲しい。そう感じました。

不思議な角度から観た映画だったので、新鮮でした。刑事二人のタフな絆が最後の方に効いてきて良かった!!

ズブズブの差別主義者とか、自分達は特別だと思いこんでるお花畑は世界中から居なくなって欲しいものです。

差別は見苦しい、その原動力がよく分かりません。俺たちのアメリカ、この気持ちもよく分かりません。

アメリカって変なの。
みほみほ

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