えむえすぷらす

バハールの涙のえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
5.0
ISの手中にある町を奪還しようとしている軍の取材に入った女性記者。そこでIS奴隷から逃れた女性たちて編成された分隊の取材に入り隊長のバハールと言葉を交わす。

バハールがIS捕虜となった経緯を回想するパートとバハールの部隊の戦闘がシャッフルされながら描かれていく。

この作品ではISは女性を自由に弄ぶために形式的な結婚して飽きたら売り飛ばし、奴隷としても使役する。「市場」で一番高いのはという話は吐き気のする話で参った。
そんな扱いを受けた彼女たちだから戦う。バハールと共に参加した女性兵士は「被害者という立場だけではいたくない」から入隊した。バハールはまた別の目的もあり入隊。仏留学経験を持つ弁護士で士気を鼓舞して戦わせる事の出来る指揮官になった。

ヴェトナム戦のトンネルねずみのような戦い、死地そのものの市街地戦。兵士がまた一人一人倒れていくがそれでも戦いはやめない。

バハールは記者の仕事を評価していた。その上で銃を取らないのか?とも女性記者に聞いている。これ、卑怯とかではなくカメラ片手に武器も持たずバハールの部隊から離れずトンネルだろうが市街地、家屋捜索までついてくる勇気を買っての発言だった。

性差別に対して過剰とか言ってる人はISの所業と自分達の言説に倫理的な違いがないことに気付いて欲しい。