ねむ

アメリカン・アニマルズのねむのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて鑑賞。

ごく普通の大学生四人組が、大学図書館の特別室に保管されている1200万ドルの画本を盗み出す計画を立てて実行、その事件の顛末を、当の犯人たちのインタビュー映像をはさみながら描きます。ドキュメンタリで注目を集めた監督らしい発想なのかもしれません。
実際にあった事件を元にしていますが、「実話に基づいた話」ではなく、「真実の話です」というテロップが最初に出ます。
×(This is based on a true story)←実話系映画に出るテロップ
○(This is      a true story)←今回の

私は結構実話に基づいた話…歴史ものでも伝記物でも…が好きなんですが、実話に基づくと言いつつ、後からちょっと調べると大きく脚色されてたとわかることがほとんど。いい話だったな~と思って調べたら、逆だよ!きれいにまとめるなよ!っていう場合もしばしばあります。
もしかしたらそういう実話物の作り方に対する、アンチテーゼ的な意味もあるのかなと思いました。

本題。

事前のプロモでクライムコメディを予想していたのですが、実際コメディ色はそれほどなかったです。
後半、大学生たちが計画を実行し始めてから急転直下、一気に加速がついて面白くなり、引き込まれました。思わずちょっと声が出そうになるくらいの感じで、後半が最高に面白いです。

大学生四人のターゲットは、19世紀の博物画家・オーデュポンが描いた素晴らしい画集「アメリカの鳥類」で、その絵の数々がしばしば画面に映し出されます。
非凡でありたいと望んだ青年たちの選んだ方法が、「非凡なるものを盗む」という安易な道であったこと…象徴的に感じました。
ねむ

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