障がいにより自分で動けない鹿野は、夜中に突然バナナを買いに行かせたりと、介助ボランティアの主人公たちをあれこれ振り回す。
最初はちょっと自分勝手なキャラクターとして描かれる鹿野。
しかし、どんな状況でも前向きでフリーダムな鹿野に、主人公も少しずつ心を開いていく。
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タイトル通りバナナが重要なのかと思ったら全然そんなことなかった。
それはそうと、メインの役者さんたちの演技がとっても良かった。
いい感じにウザいキャラから少しずつ温かみを見せていく大泉洋、
声を震わせて怒りをぶつける高畑充希ちゃんと三浦春馬くん、
観ていてこちらまで心を揺さぶられるような演技だった。
大泉洋は障がいも含めて表現するの大変だったと思うけど、すごくリアルだった。入院後に喋りがつっかえたり、息切れ気味になったり、痰の吸引で苦しそうなシーンは観ていて辛かった。
ストーリーは、演技の上手さもあったからか、それぞれの想いがじんわりすれ違うのがリアルに伝わってきて良かったと思う。
自由でありたいという気持ちとは裏腹に身体が言うことを聞かない鹿野の辛さとか、
裏切られたような気持ちになっちゃう三浦春馬とか、
高畑充希のふたりに対する想いとか。
けど個人的には、カップルそれぞれの問題やら三角関係的な問題が若干カオスで、最後どさくさに紛れて全部うまくまとめた感があるのが残念だった。
鹿野のサプライズ後に急にまとまった感じがしたんだけど、
そもそもあのサプライズはあんまり笑えないかな(ここもノンフィクションなら申し訳ないけど)と思ったし、鹿野と話したあの短い尺の中で心を入れ替えましたってちょっと消化不良だなって思っちゃった。
あと最後あれをピアノで弾くのはなんか面白くなっちゃってない?って思った…
でも、キャラクターたちの苦しみや悲しみや楽しさがじんわり伝わってきて、本当に一緒にいるような感覚になれたし、
介助してもらう側とする側じゃなくて、まるで友達みたいにタメ口で話す関係性にすごくほっこりした作品でした。