Maririn

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のMaririnのレビュー・感想・評価

3.8
◎感想
刺さる、泣けると言うよりも、純粋に元気がもらえる映画。重くなってしまうようなところも、鹿野さんの言葉でクスッと笑ってしまうような場面が何度もあった。きっと、鹿野さんの前向きな人柄がそのまま映画になったんだろうなと感じた。

◎気付き
1. 正直でいるということ
"障がい者なら何言っても許されるの?"
正直でいるということは、本気で向き合うことであると同時に、それゆえ人を困らせることもある。
鹿野さんは、たとえ人を困らせても、正直でいた。自分のわがままを素直にボランティアやお医者さんたちに伝えていた。その結果、ボランティアという家族ができた。
たとえ人を困らせたとしても、自分の大切なことのためなら、わがままでいたっていいんだなと思えた。

2.嘘をつくということ
"嘘は本当にしちゃえばいい"
教育大生という嘘を打ち明けたみさきに鹿野さんがかけた言葉。はっとさせられる。それが嘘じゃなければ良いのに、と思うことなら本当にしてしまえばいい。
鹿野さんがついてきた嘘は構ってもらうための嘘。それは鹿野さんが生きるための嘘。
自分のための嘘、誰かのための嘘、どっちにしろ、ポジティブな嘘ならついてしまえ。ちょっとずるいのかもしれないけど、それくらいがちょうどいいのかもしれない。

3.助け合い
"自分に負けたくないからね"
自分のなりたい自分になるためには、弱い自分、できない自分、逃げてしまう自分と向き合わなければいけない時がある。
田中くんが医者になる覚悟を決めた時も、みさきちゃんが教育大を再受験すると覚悟を決めた時も、周りが応援してくれたり、サポートしてくれたりする。
鹿野さんも、なりたい自分と向き合い続けていたから、たくさんの人々に支えられて生きていたんだと思った。

◎その他
・怒りの象徴の赤いコップ
・ボランティアという偽善とも捉えられる行為を、家族のような本物の絆にする力
Maririn

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