Maririn

星の子のMaririnのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.0
【感想】
タイトルアートが美しかった。
原作のイメージ通り、今村夏子さんの世界観がまんま映像になっている。
原作に忠実だと思う。

芦田愛菜さんの演技に目を惹かれるのと、黒木華さん&高良健吾さんの新興宗教感にはテンションが上がる。

家族と宗教(宗教二世)の生き方における心のグラデーションの部分が、ちひろの視点から、柔らかに描かれている。

【気づき】
1.まーちゃんの存在
まーちゃんは、ちひろにとっての救いだと思う。
まーちゃんは宗教に染まった家族に穴をあけて、外の世界と繋ごうとした。
しかし、家族が崩壊するのを恐れ、自分だけが外の世界へと抜け出した。

2.まーちゃんのライダース
まーちゃんのライダースはを着てみるちひろ。
ちひろにはサイズもデザインも似合わない。
まーちゃんのライダースはまーちゃんの生き方だと思う。
"家族と別れて生きる"というまーちゃんのような生き方は、ちひろにはしっくりこない。

3.ちひろが信じているもの
ちひろが信じているものは、宗教ではなく、家族。
ホテルで親が見つけられないとき、不安になるちひろは、親を求める。
頭にタオルと水を乗せられた時のみ拒絶する。
このことから、ちひろは宗教を信仰しているのではなく、家族の繋がりを信じているのではないか、と思う。

4.ちひろはなぜ親元を離れないのか
ちひろにとって、家族と宗教は別なのではないか、と思う。
映画の中でちひろは変化した。
友達と、その彼氏とのやりとりから分かるように、ちひろは面食いから中身を見て、判断するようになる。
この構図は、一見すると変な宗教を信仰する家族も、中身は愛する家族のためという本質があり、ちひろはその本質を見ようとしているのではないか、と考える。

【その他】
・「あなたがここにいるのは自分の意思とは関係ないのよ」とはどういうことか
・なぜ、両親は効果がない水だと分かってもやめられないのか
・振り子の効果
・途中のアニメーションの効果
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