さうすぽー

アラジンのさうすぽーのレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
2.5
自己満足点 48点

超メガヒットしててみんなの評価が高い中、自分は思ったほど楽しめませんでした(^_^;)

アラジンは美女と野獣に比べるとそこまで思い入れがあるわけではありませんが、ヒロインの強さとジーニーのコメディセンスの面白さが好きでした。

この実写版はというと、前半は好きだったのですが後半が微妙でした。

まずは好きだった点です。

冒頭のアラジンが泥棒を働いて盗むシーンの一連の演出が良かったです。
アクロバットなアクションはアラジンらしく軽快ですし、ジャスミンとの掛け合いも良かったです。
ジャスミンも「外に出たい」という願望がアニメ以上に感じられました。

ジャスミンと言えば、演じた女優が凄く歌が上手かった!
名曲や実写オリジナル曲を歌ってると感心させられましたし、何回か感動もしました。
アラジン役に関しては...そこまでじゃなかったかな(笑)

ウィル・スミスのジーニーも想像以上に良かったですね!
予告出たときにはSNS上で「ただのウィル・スミスじゃん!」と突っ込まれていて僕も同じ事を思ったのですが、ジーニーの愉快さや独特なコメディセンスがアニメとはまた違った良さが出ていました。

その他にもキスシーンやアニメからの歌等、実写ならではの良い変更はありました。

ですが、この実写版はいろいろと問題があると思います。

まず、アラジン役の人がイマイチでした。
そこまで存在感があるわけではないので完全にウィル・スミスやジャスミン役の女優に喰われてるし、歌もそんなに上手くなかったです。

また、アラジンのキャラクターはどちらかと言うとヒロインに割りとアプローチしてる性格が個人的に好きで、前半は誰とでも話せる好青年な感じが出ていました。
ただ、ジーニーを連れて王室に入った辺りから急にアラジンの性格が変わってしまいます。
パーティーでのジーニーに女子のアプローチの仕方を相談したり、ジャスミンに近づくと話せなくなるという、まるで「女の子が苦手な内気な男子」という風な感じになってしまって、アニメや実写前半のアラジン像とはかけ離れた展開になってました。
何故そういった展開になったのでしょうか?
アニメにおけるアラジンの性格が好きな自分にはかなり違和感を覚えました。

悪役のジャファーも微妙でした。
演じてる俳優が若いためもあるかもしれませんが、支配欲の塊なジャファーになれていないので、そこもかなり消化不良です。
このジャファーは優しそうに思えちゃうし、ただアラジンに嫉妬してるかのような表情ばかりでした。

また、後半の方でジャスミンがアニメには無いオリジナル曲「原題でspeechless」を歌う場面があるのですが、これに関しては女子は好きになれると思います。
僕も歌も上手いし曲も良いとは思ったのですが、歌詞が物凄く説教臭いです。
「女性による主張の自由」を歌ってるのですが、その内容がストレート過ぎてわざとらしい感じがしました。
あたかも「そのメッセージ性を入れるために一連の場面と曲を入れました」という魂胆が透けて見えて、それが結構嫌でした。
だいたい「speechless」というタイトルからして非常にわざとらしい!
別に政治的主張を入れる事自体が悪いわけではなく、内容よりも主張が優先されてるのが個人的に好きじゃないだけです。

アニメらしい要素も取り入れて、良かった実写オリジナルもありましたが、いかんせん好きじゃない所が結構目立ちました。

ただやっぱり、
「A whole new world」は名曲だった!