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七つの会議のacrowのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.6
※追記
以下のような感想を書いた当時は「こんなことあるはずがない」「脚色されすぎ」なんて意見もあったが、先日のダイハツのデータ改ざん隠しを見てどんな顔をしたのだろう、と思う。
日本全国こんなもんですよ。



面白かった。

悪い意味で日本全国「あるある〜〜!!」なお話。

製造の現場に詳しくない人は映画の中のお話だと思うかもしれないけど実はデータ改ざんっていうのは大なり小なり無数に今現在も行われていてそれが発覚してないだけだったりする。たとえば実例でいうと神戸製鋼のデータ改ざんなんかがそう(これなんかは鋼材のデータ改ざんなのでその鋼材を使っている様々な製品に影響した)。車メーカーでザラにあるリコールもそう。その責任の押し付け合いもよくある。
映画上の演出はあるけれど、ほんとにこれ「こんなのが起きたら怖い」ではなく「今も普通に起きてる」んですよね。発覚してないか発覚してもみんな気にしないだけで。


野村萬斎演じる八角さんが昼行灯なのに熱い魂を持ったキャラでかっこよく、(実際にこんなに真面目に人の命に責任取る人が現場にいるわけないけど)こういう人は必要だなと思うし、最後の「不正は絶対に無くならない!」はまさにおっしゃるとおりですとしか言えなかった。
偶然見つかったネジとともに、自分の今までの後悔を八角に託す北川のシーンも熱く、いいものだった。

確かに半沢節というか池井戸節というかでやたらアツくて真面目な熱血漢も出てきたりファンタジーを多分に含む物語ではあるけれど、こういう不正がガチであるという核の部分はまさしくそう(製造の現場にいたことある人ならそういうの見たことあると思う…)。
ダメなものはダメ、「OKでなんとか通してよ」をちゃんとつっぱねる。これは本当に大事だなと改めて思った。

これは恐ろしくも本当にある物語。身につまされるものがある。
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