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ベイビー・ドライバーのacrowのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

よかった。


劇伴のサントラでの監督コメント曰く、子供の頃からずっと好きな音楽を最高のシチュエーションで映像にしたいと思っていたそうで、その空想実験のはてにこの映像化があるというのは納得できる。

カーアクションが実に素晴らしいが曲の歌詞が実際に展開とマッチしていたり、壁の落書きが歌詞だったりするのは上手い。
サブキャラクターたちも実に個性的で、それぞれ特徴ある性格と活躍を見せながらも複雑すぎずに程良く理解できる。

また"ヒート"や"パブリックエネミーズ"でマイケル・マン監督が描いた「悪の道に進んでしまった人間が善く生きることはできるのか」というテーマをベイビー・ドライバーもなぞっているのも良い。
ベイビーが罪を犯しつつも出来る限り誰かを救おうとした苦悩が最後に報われ、しかしやったことはやったこととして裁かれる。苦しい道だったけど、人質をとられながらできる事をしたベイビーへの判決が妥当に思えて納得できた。

あと一点、ラストに出てくる刑務官の「you gotta mail, kid.」が大好き。刑期で歳をとったこともさることながら、何もわからない内に犯罪で未来をなくしたBABYから、罪を償いKIDになったことを含んでいる。
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