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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちのacrowのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。

王道な冒険譚というか、古き良き冒険少年の物語を現代風にアップデートしつつ、しかしそのワクワクドキドキは子供の頃読んだ児童文学そのもの。

ティム・バートンらしく奇妙で少し怖がらせる部分はあるが、かなりマイルドで子供たちが観ても問題ない程度に抑えてある。主人公が手に取る武器も銃ではなくボウガンなのがファンタジックな雰囲気ある選択で、あまり直接的な暴力を感じさせない配慮を感じる。いいエンターテイメントの作り方をしている。

古臭い第二次世界大戦の片田舎を舞台に出したりしつつも、EDMを流しながらガイコツの戦士たちが化け物を翻弄するシーンなどもあり、バリエーションに富んだ場面づくりは見ていて飽きない。
物語のテーマ自体も、ただの少年が戦う決意をして誰かを守れる男前になっていくというシンプルながら熱いもので、また主人公に向き合ってくれた祖父との信頼や辿ってきた過去をなぞるという要素も、「家族」を感じさせる秀逸な主題だった。
もう少しこの世界を見ていたいと思わせるが、最後のくだりなどはとても綺麗に物語を締めくくっており、これからもこの作品世界は続いていくのだろうという喜びを胸に残して幕を閉じる。良い余韻の残し方だった。
大人が観ても楽しめるし、お子さんとも観られるいい作品だった。
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