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イコライザー2のacrowのネタバレレビュー・内容・結末

イコライザー2(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりデンゼル・ワシントンはその人の本質を問う目をするんだよな…。

前作から続けて近所の人や仕事で関わった人を助けるマッコールさん。乗客が幸せそうだと一緒に微笑む姿が素晴らしい。

本作では、「過去の罪にどう向き合うか」「自分の意志で善い方向に行こうとするか」を前作より強く問うてくる。CIAを辞めたあともできることをするマッコールとスーザン、ギャングになるのをやめ壁に立派な作品を残すマイルズたちと殺し屋の道を選んだ者たちが明暗として対比されている。
そしてなおかつ、「国から命じられたCIAの仕事であっても罪は罪だ、だから俺たちは殺人を償うべきなんだ」と考えているマッコールさんのストイックさも見え隠れする。

それにしても本作を代表する有名なセリフ「一度しかお前たちを殺せないのが残念だ」は予想以上に恐ろしかった。
そのへんのチンピラに言ってるのかと思いきや、元仲間でも容赦なく殺すぞという絶対零度の肝が冷える死刑宣告だとは。しかも直後に殺す男の嫁さん子供に冗談を言ってニコッ!と笑いかけるこの温度差……。

戦闘シーンも凄まじく、とくにラストバトルは彼らの罪に応じた殺され方をしているのがこれまた怖い。
最初の一人はCIA協力者にしたように頭をハープーンで貫かれ、二人目はスーザンと同じ刺殺。三人目は証拠隠滅の爆殺になぞらえ粉塵爆発。すべて、彼らがやってきたことの報い…。
戦いの最後は元相棒を光のない目でジッと見つめるマッコールさん。「どうして人間は道を誤るのだろう?」「どうして悪の道に進んだ人はやりなおせないのだろう?」という悲しみが深く湛えられている。

爽快な勧善懲悪というだけでなく、「どうしても救えない悪が世の中に出てきてしまう」というシビアな現実も描いているところがイコライザーシリーズの味のあるところ。
ファイナルも楽しみ。
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