謎が謎を呼ぶ中で、ある企業の群像劇はいつしか、大規模な組織犯罪という闇へと繋がっていく。
分かりやすく説明するためにぶつ切りで展開する前半部分は情報が過剰気味であり、重みを持たせるシーンでは豪華俳優陣の生々しい顔芸の数々。見ているだけでお腹一杯になる。
ただミステリーとして謎が解明されていく様子は痛快で、謎が明かされた途端これまでと正反対な見方になるよう人物が描かれる点は、もはや滑稽ですらある。
本作に描かれる出来事は全て、日本企業に勤める以上、大なり小なり突き当たる壁なのかもしれない。今一度自らの振る舞いを見直すよう、劇場内のサラリーマンは心に思ったのではないだろうか。
