娯楽の極み

Diner ダイナーの娯楽の極みのネタバレレビュー・内容・結末

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
1.2

このレビューはネタバレを含みます

エロカッコいいとかキモカワイイとかの表現を借りていうと、この映画はダサダサいという分類になる。

殺し屋しか来ないダイナーを舞台に繰り広げられる、蜷川幸雄みたいなボスが死んだことでバランスを失った組織の抗争を描いた物語。それと同時に、カナコという主人公が自分の殻を破る的な、立ち直る的なストーリーも走らせてあるのだが、見ていく中ですっかり抜け落ちる程度に惹きつけが弱い。そういえばそうだったなと。

蜷川実花の信者だけが楽しめるファンムービーで、とりあえず赤くしましたという世界観。赤くて綺麗とかいう感想や評価を目にするが、それってその辺で売ってる赤い折り紙眺めて呟いたのと同じ感想だぞと思う。

セリフ回し、ファッション、立ち居振る舞いが狙っているのかいないのか、絶妙にダサい。チェックメイトて。

どこかで見たことがある絵面だとデジャブを感じていてようやく思い出した。この映画は、照明を落として舞台を狭めた翔んで埼玉だ。

さらに、ダイナーというタイトルではあるものの実際にはスタイリッシュマクドナルドの話なのでほとんどハンバーガーしか出てこない。ギリギリのところでダイナー感を保つためのアイテムとして登場するのは美味しい部分を大量にこぼす仕組みになっている異物混入済みのスフレのみ。

藤原竜也扮する謎のシェフ、ボンベロ。ボンベ郎。凄腕の殺し屋だったのはわかったがなんで料理ができるのかがゴッソリ欠けていて、起承転結において何のこっちゃわからん状態。

さっさとカナコを殺せたはずなのに殺さないあたりのご都合主義、殺し屋ばかりだからいつ殺されるかわからないくらいの店にいきなりスキンみたいなやさおじが現れる、さらに終盤は謎の恋愛展開にしてしまうところに邦画の悪しき風習と脚本の浅はかさを感じる。

このダイナーでは、俳優陣をうまく調理することはできなかったようで。