Aya

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のAyaのレビュー・感想・評価

3.5
#twcn

ロブ・ライナー久々にヒット打てたのでは??ていうか自分が一番いい役やん!!前評判がとても高かった今作。

9.11以降のイラク侵攻について、多くのマスコミの中で唯一「イラクに大量破壊兵器はない」という記事を一貫して貫いてきたナイト・リッダーの記者、ウッディ・ハレルソンとジェームス・マースデンが、信頼できる上司監督、ロブ・ライナーの擁護のものその姿勢を貫き通す、ザ・ジャーナリスト映画。

アメリカで大麻が合法化されたことで、やることがなくなり、俳優業に進出してきたウッディ・ハレルソンwは嫁さんが移民のミラ・ジョボヴィッチで、相棒のマースデンは最近離婚したばかりのザ・シングル。
なので、若干マースデンの恋愛がらみの話もあります。
マースデンフォロワーは美味しく戴けるのチェキチェキ。

お恥ずかしながら、このナイト・リッダーという会社、知らなかったです。
そしてこの2人の記者の話もお恥ずかしながら知らなかった・・・。

これ系の話を見るたびに言っているのですが、今から見たら、あのイラク戦争は完全に間違ってた、というのは公然の事実じゃないですか?
でもあの戦争に向かっている米国を当時止められなかったことは、果たして私たちになんの責任もなかったのか??

それこそこの映画では他のタイムズやポストといった大手のマスコミが出て来ます。

その全てがこのイラク侵攻への疑問を持たず、フセイン打破になんの迷いもないし、「お前らの国の指導者クソだから、世界で一番えらい俺たちアメリカ様が正してやるぜ」という、普通に考えたらおかしい理由によってどんどん動いてゆき、イラク戦争は勃発し、欧州諸国の後方支援、難民が生まれ、民族同士の宗教戦争が立て続けに起こり、ISが生まれ・・・全ての発端はこのイラク侵攻だったのではないか?とすら思えてきます。

しかし、その前にあった9.11は恐ろしくショックを受け、世界中がムスリムに対して不信感を抱いていた空気感は実在したわけで・・・。

この2人が揺るぎない記事を書き続けたのには理由があると思います。

感情に流されない事実のみソースとする。

まあ、正直、「この間違った戦争が進み多くの若い兵士の無駄死にを見たくない」というおばちゃんはとても感情的ではあったのですが、イラク情勢の裏の裏まで見れていたのは大きかったのではと。

原題「Shock and Awe」が邦題サブタイトルになっているのも良いと思います!

めちゃくちゃ刺さる!
というほどではなかったのですが、論理的で正しいジャーナリスト映画としてとても良い。

そして近い時期に見たアイ・ウェイウェイの「ヒューマン・フロー」とめっさ重なりました・・・。


日本語字幕:斎藤 敦子
Aya

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