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孤狼の血 LEVEL2の一のレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
4.5
「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ」
という前作の強烈なセリフが記憶に新しい白石和彌監督作品

結論から言いますと、非の打ち所がないほどの完璧な続編だったと断言できるくらいの大傑作でした

『孤狼の血』待望の続編が一ヶ月近くも前に先行公開されると知りチケットを即購入し、しっかり前作も予習してから挑みました

個人的に前作は大ファンである白石和彌作品の中でもトップクラスに大好きな作品で、初見で観たときの衝撃は今でも忘れられないほど
しかし監督も脚本も続投ではありますが、原作シリーズでは描かれていない完全オリジナルストーリーという点に加え、いくら素晴らしい俳優さんとはいえ、松坂桃李では役所広司のような迫力が出せないのではという多少の不安はありましたが、そんな不安も一瞬で払拭できるくらいに演技もその活かし方も秀逸だったのもお見事がすぎる

監督が前作以上によりエンタメ作品として楽しんでもらえるようになっているとコメントされているまさにその通りで、ある意味前作を凌駕していると言っても過言ではないほどパワーアップしており、心の底から楽しめて興奮しっぱなし
マジで前作のファンでこれを楽しめない方なんかいないのではと思ってしまうくらい

前作にも増して『県警対組織暴力』ベースが強く、思わず言葉を失ってしまうくらいの衝撃のオンパレードは常時見応えしかなく、そもそも映画としてシンプルにめちゃくちゃ面白いエンターテイメント作品に仕上がっているのが素晴らしい

試写で観た方々が口を揃えて、とにかく鈴木亮平がヤバいと言っていたのも直ぐに理解できるくらいマジで鈴木亮平の独壇場で、画面越しで演技とわかっているのにちびるレベルの恐ろしさ
それもやってることのエグさ云々だけじゃなく、伝わってくる熱量というか気迫というかオーラが凄まじい…
過去の出演作と比べても、冗談抜きで彼のベストアクトではないだろうか
そのくらいの境地にいるようにすら見えてしまったし、彼なしでは間違いなく成り立っていない作品でしょう

他にも主要な登場人物達それぞれにしっかりとスポットが当たり、それぞれにきっちり見所がある
中でも一見パッとしない相方の中村梅雀さんがいちいちツボで、ホロリとさせられてしまったりも

申し訳ないけどキャスティングで唯一不安材料だった西野七瀬も、名だたる名優達に見落とりしない自然な演技だったと思います

現状の邦画界でも好きな監督や素晴らしい監督は沢山いますが、本作を観てしまうとやはり最後の希望は白石和彌監督だったと言わざるを得ない
計算されつくしたド派手で大迫力のドンパチアクションから、雨の使い方や丁度良いテンポ感、常に躍動しまくる役者陣など、ひたすらシビれるほど演出が巧い事に感心しっぱなし

ラストはぽかんとする可能性はありますが、当然ながら前作を観てからの鑑賞を
とりあえず早くパンフレットが読みたい🔥

2021 劇場鑑賞 No.045
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