ニトー

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search/サーチ(2018年製作の映画)
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 監督まだ20代半ばですか。卓越した編集力と脚本の構成力で画面がもう才気煥発している。

これは大きな画面で観ないと細かいディティール、というか画面中に散りばめられた伏線を確認しづらいので劇場で観ておきたかったなぁ。

死んだと分かるやお通夜モードになる友人未満の学友たちとか、tumblrをtumblerとスペルミスするお父さんとか、文言を送信をするかしないかの逡巡をタイピングの画面だけで表現する演出などなど、映像で映える描写が細かい。この辺のリアリティ、最近も観た気がするんだけど、なんだっけな。

まあ、ヴィックが家に訪れたときにフェイスチャット(?)を起動しているのはよくわからないというか、なんか説明的すぎる気はしましたけど、それ以外はほぼ設定したルールを守っているし。

あとはどこまでが本当にあるものなのか知らないんですけど、住所がわかるサービスとかって本当にあるんですかね? 日本で言う電話帳みたいなガバガバさな気がするんですけど。もっとも、ああいうサービスが実際になかったとしてもあるように思わせる細部の作りが説得力を持たせているので、ご都合主義という感じはない。

むしろ、趣としては一種のシミュレーション映画のようにも思える(ソダーバーグ監督の「コンテイジョン」をちょっと思わせる)。それくらい、父親がハイスペックというか探偵じみた操作能力を発揮する。
これを「できすぎ」と取る人もいなくもないでしょうが、まあそこは親子愛ということでひとつ。

いやこれ、かなりウェルメイドな作品だと思います。

今後の活躍が楽しみな若手監督の一人です、アニーシュ・チャガンティ監督。
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