「茶の間」「あぐら」が無くとも是枝節は再現できるという、爽やかな作品『真実』。
どう見てもカトリーヌ・ドヌーヴ本人の事であり、樹木希林さんが乗り移ったかのような老獪(失礼)大女優の「嘘」だらけの自伝本「真実」、演技という「嘘」が「真実」、劇中劇という「嘘」が自伝本より「真実」を描く、書いているだけで混乱するほどに「真実」と「嘘」とが交錯する超重層構造なホームドラマでした。
初海外進出映画といっても全く肩に力が入っていない是枝監督の精密な演出は、もう職人芸といった感じで、観客のこちら側も肩の力が抜けて抜けて。
怒りが籠った前作『万引き家族』とは一変して、非常にリラックスできる、爽やかな一本でした。
動画でのレビュー(あまり上手くいきませんでした……)
https://youtu.be/WH5uVjJgEcY