ふじい

愛がなんだのふじいのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.8
「◯◯がなんだ!」って言葉、その◯◯が分かっててなお洒落臭いからこそ出るものかも知れない。
衝撃のラスト!どんでん返し!とかではないのに、こんなにも誰かと話したくなる映画があるのか。


愛という言葉の意味合いは人によって全く異なる。だからこそ面白いものであるし、映画内では愛をその人の愛なりに貫いたり、すれ違ったりしている。

誰の愛に共感するか?もしくは出来ないか?
恋愛ドラマにおける誠実な愛をこれまではよく見てきた。ある程度"フィクションの恋愛行程"が分かってるからこそ、「愛がなんだ」に出てくる曖昧な距離感や歪んだ一途さが全てリアルなものとなる。

歪んだ一途さと書いたけれど、これももはや"フィクションの恋愛行程"を踏んでいるからこそ生まれた"普通"というふわっとした概念から出た言葉である。
全ての人には全ての人なりの愛があって、きっとそれは尊重されるべきなのだと思う。


この映画を観てもなお「この人の恋愛はありえない!」と大口を叩けるのであれば、理解しきれないという事実だけ受け止めて黙っていてほしいなあという気持ち。

普通という言葉がいかに残酷か。自分が勝手に作った"普通"のレールに人を載せようとすることがどれだけ傲慢なことか。
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