ふじい

ガリーボーイのふじいのネタバレレビュー・内容・結末

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

地元や生い立ちを誇示するのに、ヒップホップというのはうってつけの音楽であり文化であるけれど、スマートフォンとSNSの急速な普及によって、インドのスラムにもその潮流が発生していた。

スラム内の廃ビルでサイファーが行われているシーン、細かい差別がある国内の現状とは全く関係なく、全員がライムとビートの上で平等にディスりあったりリスペクトしあう光景があった。

街中にグラフィティを残すシーンには、新たな文化に戸惑いながらも、最終的には痛快な皮肉をスプレーで描いた主人公の姿があった。

現実の環境への鬱屈が新たな文化への興味に繋がり、異文化は辛い日常の中に差す光のような存在となる。
その光に導かれ、最後は主人公が現実の鬱屈を打ち破らんと親に説教するシーンに、たくましい成長を目の当たりにして胸に来るものがあった。

挿入曲はどれもキャッチーでありながら、歌詞は風刺が効いていて。これはサントラが欲しくなるのも分かる。
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