ふじい

バーニング 劇場版のふじいのネタバレレビュー・内容・結末

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

なんとまあ、映像の美しさよ!
なんてことない田舎が夕焼けに染まっていくさま、三人でまどろむさま、まとめてgifにでもして飾ってしまいたい!



村上春樹をはじめ、メタファーの効用は日常のふとしたタイミングで、ふとその意味が理解出来たり、より深く腑に落ちたりする機会があることだと思う。

映像の中にもセリフの中にも印象的なメタファーや対比ばかり出てきて、もしかしたらそれに翻弄されたり理解しきれなくて作品への興味を手放したりするかも知れない。

メタファーたちは携えておくだけで良い、と思う。
そんなことがあったと心の隅っこに置いておくだけでも、もしかしたらなんてことないきっかけで腑に落ちることがあるかも知れない。
自分にとって腑に落ちればそれで良い、とも思う。
すごく乱暴な括りをしてしまえば、聖書の文言だってそうなのだ。


金持ちと貧乏、見える犬と見えない猫、ナイフと化粧品、アフリカの夕日と韓国の夕日、あることとないこと、ないことによってあること……。
提示されるフレーズはどれも皮肉的で、それでも現実で。
身なりによってある程度デフォルメされてはいるものの、この経済格差は今の日本にも通ずるものがあって、別の国のお話とは到底思えないリアルさ。
ふじい

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