凛

ロケットマンの凛のレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.2
エルトン・ジョンの半生を描く自伝的ミュージカル映画。自身がプロデューサーを務めていてかなり詳細な過去を赤裸々に。
『キングスマン』のタロン・エガートンが歌を歌っているがこれが最高に巧い。

幼少の頃からピアノの才能があったが、両親から愛されなかった。そのことが後々まで心に暗い影を落としている。
歌詞を書いてくれる友人は良いパートナーだが愛する人にはなれなかった。
歌手としての成功とは裏腹に同性愛者として本当の愛を求め、満たされない気持ちを埋めようとするがうまくいかない。
酒やドラッグに溺れていく。。

奇抜な衣装と美しい歌からは想像も出来ない寂しさを漂わせていて、自暴自棄になる哀しさ。虚しいパーティー。
ありのままを受け入れてもらえないことが、こんなにも自己肯定感を低くしてしまうとは。
華やかな活躍も存分に見せながら心情も知ってしまうと、今まで何気なく聴いていた歌の歌詞もすごく深い意味を感じてしまう。
孤独や悲哀を切々と語られるが、現在の幸せそうなエルトンの姿に救われる。
凛