8/26_大泉#3
これはエルトンのため?
キングスマンでエグジーとエルトンの共闘を楽しんだ私。本作をとても楽しみにしていたが、ピークは「サタデーナイト」でアガるところまで。あとはひたすら落ちるのみの鬱展開。ミュージカルとしても、サイコセラピーものとしても中途半端だった。
想像するに、エンタメ方向に振りたい監督が、監督よりも遥かに大物であるエルトンの「製作者」としての意向に屈したんだろうな。 そうなると映画は歪になるのが常。後半はエルトンが自分と向き合うための殆ど個人セラピーで、なぜか観客がそれに付き合わされる妙な感覚だった。
両親、とくに父親からの愛情がなかったせいで後天的にゲイになった。という描き方なので、(ゲイとしての)孤独が不幸というよりも、ゲイになったことそのものが不幸という扱いになっていた。これは繊細さに欠ける(最近のLGBTの良作はみなこの辺が丁寧だ)。
タロンエガートンが堕ちていくのを見るのが辛くて、「俺たちのエグジー」を返して欲しくなった後半だった。