イペー

ブラッド・イン ブラッド・アウトのイペーのレビュー・感想・評価

4.2
みんなちがって、みんなワルい!

メキシコ系アメリカ人の若者三人を巡る、血と絆のドラマ。

明けましておめでとうございます。
今年一発目で、早くも傑作に出会いましたよ!

ラティーノが人口の大半を占めるイーストLAで、兄弟同然に育った若者たち。

白人とメキシカンのハーフという出自にコンプレックスを抱くミクロ。

地元のワルたちのリーダー格で、元プロボクサーのパコ。

絵の才能で奨学金を貰い、周囲からも将来を嘱望されるクルス。

三人三様の運命を、十数年のスパンで辿るドラマです。

とある不幸な事件をキッカケに、三人は全く異なる道を歩むことになります。
以降、物語は刑務所に入れられたミクロの視点が中心になっていきます。

塀の中は、黒人、白人、ラティーノの三国志状態。
青い目のラティーノであるミクロは、刑務所内での厳しい現実をサバイブするため、
ラ・オンダと呼ばれる組織に命を預けることになるのですが…。

タイトルの「ブラッドインブラッドアウト」とは、組織に入るためのルール。
"入るためには殺せ、出るためには死ね"
血の掟で守られている訳ですね(怖)

三時間という長尺の作品なんですが、いや〜、長さは感じませんでした。
見所たっぷりで、語り尽くせません!

チカーノギャングの成り上がりモノとしても、刑務所モノとしても抜群に面白い作品だと思います。なんせホンモノの方も出演してるみたいですしね。
揃いも揃って凶悪なツラの見本市ですよ。
(ダニー・トレホも出演)

序盤では頼りなさげなミクロ、お友達になれそうな好青年なんですが、中盤で色々失ってギラギラし始め、終盤では絶対に目を合わせちゃダメなタイプに…。
彼の変貌ぶりには心底驚きました。

男泣き必至の熱いドラマでもある本作。
パコやクリスも、それぞれ背負うものがあって、その道筋が交わったり離れたりを繰り返します。

血縁や人種に囚われる者、そこから解放されようともがく者。
そして、血よりも濃く、分かちがたく三人を結びつける絆。
ラスト一時間で、何度もガツンとやられました…。大満足!

…新年早々、暑苦しい映画でした〜。
全く色気の無い、男臭さの立ちこめる作品ですけどね、自信を持ってオススメでございますよ!