maverick

好きだった君へのラブレターのmaverickのレビュー・感想・評価

4.0
2018年のNetflix映画。ティーン向けの原作小説『To All the Boys I've Loved Before』の映画化作品。

恋愛に憧れているが、いつも妄想ばかりで踏み出す勇気が持てない高校生の女の子の話。恋愛対象にしている男の子は5人いて、それぞれへの想いをラブレターにして大事に持っている。本命は幼馴染でお姉ちゃんの彼氏であり、打ち明けられない想いを手紙にしたためているという可愛らしい女の子だ。

この5人が恋愛対象というのがリアルに感じた。この人が好きという明確な時もあるけど、この人もいいなとか、この人との恋愛ってどうだろうと考えたりすることあるよね。主人公ララもそんな想像の中だけの恋愛を楽しんでいたのだが、何とその秘密の手紙が投函されて相手に渡ってしまう。一人の相手でもハプニングなのに、複数人に自分の想いがバレてしまう。人生最大のピンチから物語はスタートする。

恋に慎重な人はなかなか恋愛が成就しにくい傾向があると思う。お互いのタイミングがばっちりだったり、相手から行動してもらえれば上手くいくけど、秘めた想いをずっと自分の心の中だけにしまっておいたら相手には気付いてもらえない。ララは最悪のハプニングにより強制的に放り出されるが、それが彼女の人生を大きく動かすことになる。

ティーン向け恋愛小説らしい王道の展開であり、話に特段目新しさはない。でもそれを外さずに、しっかり満足させる完成度。恋に浮かれ、傷つき、それを経て成長する。恋っていいな、素敵だなと思える人間ドラマだ。話は王道でありながら、主人公がアジア系の女の子で、さまざまな多様性が取り入れられた部分は新鮮。そこが本作の大きな魅力である。多様性はハリウッドでも大きな課題になっているが、こうした魅力的な新たな作品が生まれることが映画界の大きな発展にも繋がっている。世間の声を反映してさらに成長してゆけるのがハリウッドの素晴らしいところだ。

主人公ララを演じたラナ・コンドルがとても魅力的。『X-MEN: アポカリプス』、『パトリオット・デイ』にも出演しているが、本作で彼女は大ブレイク。本作の最大の魅力は彼女が演じた主人公ララの存在と言える。良い女優だし、彼女を主人公に抜擢した製作側も見事な選択だなと。ラナ・コンドルというフレッシュな人材が業界を活性化しているという点も本作が評価出来ることの一つ。魅力的な俳優を発見出来ることは映画ファンの楽しみでもあるから。可愛らしくて良い演技をする素敵な女優さん。一気に好きになった。
相手役のノア・センティネオもかっこよくて魅力的。彼が演じるピーターは最初は嫌なやつなんだけど、作中で掘り下げられてゆくとどんどん魅力が増してゆく。ただのパリピじゃなくて繊細で良い男の子。この二人は撮影中もすごく仲が良くて、付き合っている疑惑が流れたほど。『スパイダーマン』のトム・ホランドとゼンデイヤのようなベストカップルだなぁ。


ティーン向け作品と侮るなかれ。これは大人もハマる素敵な恋愛映画。
3部作ということで続編にも期待大だ。作中でヤクルトを飲むシーンがあるんだけど、そのせいで本国アメリカでは一時的にヤクルトが品薄になったのだとか。すごい影響力(笑)。ヤクルト美味しいもんね。自分も大好き。新たなヒット作がNetflixから誕生!日本でも旋風を巻き起こす!
maverick

maverick