ドント

闇動画12のドントのレビュー・感想・評価

闇動画12(2015年製作の映画)
3.6
2015年。いきなりシリーズ最凶と言われている12巻を観てみる。3本の映像を集めているがどれも充実していて大変良かった。
廃墟+暗視カメラの手堅いモチーフに『悪魔のいけにえ』みたいなオシャレ椅子が現れる怪奇ファンタジー(?)「いすのおじさん」は好みが分かれそうだけど私は好きです。土地との因縁とか全然わかんねぇのにあの椅子と西洋風のおじさんがいきなり出てくる珍味的取り合わせがよい。
交通事故による心の傷をビデオ日記で治そうとしている男性が主役の「黒い人」は、男性の鬱トーンと追い詰められた顔面が本当につらそうである。そこに現れるのがただ本当にのっぺりと「黒い人」なのが、男性のつらさとリンクして一段と怖い。影の初登場のそっけなさもおそろしい。
そして3本目「事故物件」、これが素晴らしかった。住民が長居しないという部屋の下見に3日間、そこに住むこととなった女性スタッフ2人がひどい目に遭う。
派手さは皆無だが丁寧に積み重ねられるちょっとした厭さや怪異がやがて大きく炸裂するが、それがあくまでも身の丈、そらへんでも起きるかもしれないレベルの炸裂なのがハイパーおっかねぇ。「夜寝るのが怖くなる」とは規模も研ぎ澄ませ方もこのくらいのモノでなくてはならない。一部屋で、カメラは2台で、出てくる人間はほぼ2人で、いやだからこそ恐怖はここまで高められる。独り暮らしの方は是非ご覧いただいて眠れなくなってほしい。
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