フザけまくった結果生まれた初期〜中期の『名探偵コナン』。コメディ×ミステリーの中でもかなり不真面目なやつ。
本来は漫画とかでやるべきリアリティライン低めなストーリーを、何一つ考慮せずそのまま実写でやってしまった感じ。そこでコメディの名優『50回目のファースト・キス』『もしも昨日が選べたら』のアダム・サンドラーを主演に添えることで「これなら成立するか....な？」というキャスティング段階での製作陣の顔が予想できてちょっと可愛い。
クローズドサークルで、かつ人がどんどん死んでいくので最終段階での容疑者が少なく、やられたー！感が薄かったというのはあった。でもそんなに手を抜きまくっている訳ではなく、ミステリーパートはマジで普通。オードリーがミステリ小説好きである設定と掛けて、敢えてそういうあるあるなテイストにしているのかもしれない。『そして誰もいなくなった』というミステリーの基本に忠実に作っていった感じ。
人が殺されたことを何とも思っていない感じ、人の死がギャグ以上の役割を果たしていないナンセンスさ。でもそんなコメディもたまにはいいなと思えた。
急に何やってんだよと脳内でツッコまずにはいられないラスト10分も個人的には楽しめた。ある人物の顛末にしても、どこで何の伏線回収してんだよ。
たまに遭遇する、特筆する点がそんなに無い作品。駄作と切り捨てることはできないし飽きずに楽しめることは十分できるので、100分暇な時間ができた人は観てみるのもいいかもしれない。ハードルを上げすぎなければ、思わぬ掘り出し物になる可能性が高い。
