みそらしど

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのみそらしどのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【1回目】
映画館であんなに沢山泣いてしまった…。涙が溢れるだけではなくて、嗚咽した。煩くしないよう気をつけるので大変だったな🤧

・ヴァイオレットたちのいた時代よりも後の時代を生きるデイジー(アニメ10話に登場したアンの孫)を登場させるのはズルイ。冒頭から「っあ〜〜〜!!😭」ってなるじゃん。
でも正直にいうと、その前の「Kyoto Animation」っていうロゴが画面に映し出された時点で、いろいろ想うところがあって最初の涙が出ました。

・そしてなんとデイジーの父親役が宮本充さん…大好き…。宮本さんの声が聞こえた瞬間、思わず立ち上がりそうになった。

・ベネディクトのヒールが今回もエレガント極まりなくて本当刺さった…愛している…。ホッジンズとテニスしてる時に女の子の真似してるのかわいすぎた。ありがとう、内山昂輝様様🙏

・子安さん…ホッジンズ社長…もはやパパ……😂
ずっとヴァイオレットを見守りつつ近くで支えてきてくれた彼のことも更に愛おしくなった。あのシーンで「大馬鹿野郎!!!」って貴方が言ってくれたから、私は劇場で声を上げずに済みました笑
ヴァイオレットのことを心配する観客の気持ちを代弁してくれてありがとう。

・「浪川大輔」という役者はやっぱりすごい人なんだって骨の髄で感じた。浪川さんの演技は言葉一つ一つがどういう意味かよくわかるような気がした。例えば、「…その名が似合うヒトになる…」の「ヒト」は「女性」って書くと思う。もう1箇所、こんな風に漢字が思い浮かんだ部分があったのに忘れたので、また観に行って確かめます……😂
 →(2回目追記)海で2人が向き合うシーンで、「俺は君のおもうような男じゃない」っていう台詞でした!「おもう」が「思う」ではなく「想う」なんじゃないか?って個人的に感じました。
いままでのアニメや映画では、ギルベルトの登場は回想シーンばかりで、ヴァイオレットの視点で物語が進んできた。でも、今作では「いま」のギルベルト目線の心情も描かれていて、「ヴァイオレットの憧れ」として綺麗に描かれていたこれまでの彼とは違い、彼自身も1人の人間であるということが強く感じられた。
ヴァイオレットを追いかける〜抱きしめるまでの演技が圧巻だった。なんて感情的(情熱的)で繊細な演技なんだ…。

・石川さんの演技もとても繊細で素晴らしかった。ヴァイオレットは、これまでの成長過程や、今作の中だけでも心情変化などで演技がかなり細かく沢山変わってきたけれど、それを見事に演じ分ける力に脱帽。
ギルベルトと海辺で対面したヴァイオレットが、嗚咽してしまって「私…」からあとが言えないのがリアルだった。その先までスッキリ言葉にしてめでたしめでたしっていう作品は沢山あるけれど、ヴァイオレットの心を考えたらそんなにあの場面てすぐ言葉にはできなかったと思う。

・ギルベルトの子供時代に使っていたものをもらったときや、ギルベルトを想うときに見せたヴァイオレットの表情がとても美しかった。昔の彼女はあんな顔しなかった。愛する人を想う気持ちをわかるようになった女性の顔だった。ここにきてまた新しいヴァイオレットのカオに出会えるとは。

・ディートフリートのことは今までなかなか好きになれなかったけれど、彼は彼なりに苦しんでいて、そして少しずつ変わってきているのだと知って愛おしく思った。
まだまだぎごちないけれど、彼が「行け」と言ってくれたから、ギルベルトは走り出せたのかなと思う。やっぱり兄弟なんだなあ。

・映画の中で、「音の」面でも「画」の面でも「静」がとてもうまく生かされていたと思う。「静」を長い時間とるのは怖いことだけれど、それを見事にやってのけて、しかも観ている側にちゃんとその意味や重みが伝わった。効果的な「静」だった。

・時代と共に変わりゆくもの、一方で変わらないものがよく描かれていた。シリーズ作品を通してドールや手紙に想い入れが強くなっているせいで、電話の登場に寂しさを覚えた。でもユリスが最期にリュカと話せたのは電話のおかげだったわけで、変わることが悪いことではないと思った。ただ私は少し捻くれているので、「なんか皮肉だなぁ」とか思ったりなどしたけれど。

・見えるものが全てではないけれど、伝えなければ伝わらないものも沢山ある。そして伝える相手がいつまでも居てくれるとは限らない。とても大切なメッセージをもらったので、私もこのことをいつも胸に留めて行動したい。

・映画の内容自体も本当に感動したし大好きなんだけど、京アニが最高の作品を届けてくれたことに胸がいっぱいになった。どのシーンもクオリティの高さがやっぱり別次元で、以前なら単に「すごいなぁ」と思っていただけだったけれど、いまは京アニが必死に頑張ってファンに応えてくれたような、「大丈夫」って言ってくれたような、そんな気がして本当に本当に嬉しかった。これからもずっと応援する。

【2回目】
今回は友達と鑑賞。こんなにも感情が大きく揺さぶられる映画を人と観て大丈夫かと不安だったけれど、観賞後にご飯食べるながら感想を言い合えたのが楽しかった。

・想いを直接伝えてるのに伝わらない。相手を目の前にすると伝えたいことが言葉にできない…というような、本来距離が近ければおもいが伝わりそうだけどそうではないということが、手紙という手段によっておもいを伝えることと比較されているのだと感じた。また今作では電話も手紙と同じ側かなぁ。
例としては、①冒頭デイジーの母が、「おばあちゃんのことも、あなたのことも大切(意訳)」とデイジーに直接言ったが、デイジーの心には届いているように感じられず、言葉がかるく上滑りしているような印象さえあった。②少佐にずっと「あいしてる」を伝えたかったヴァイオレットが、いざ本人を前にすると言葉が出てこない。③直接リュカには会えなかった(会いたくないと思ってしまった)ユリスが、最期に電話越しにちゃんと伝えられた。
距離感、どう伝えるか、相手にちゃんと伝わってるか…。
対面の方が、表情や声音、仕草などからも相手の気持ちやおもいは伝わってくると思うし、絶対に手紙や電話が良いとは言えないと思うけれど、考えさせられた。

・↑の話を友達にしたら、「普段は伝えてるかばかり気にしていたし、自分は伝えられていると思っていたけれど、本当に相手に伝わっているかまで頭が回ってなかった」というようなことを言っていて、共感した。私も伝えるようにしていることで満足してた節があって、本当に相手に私のおもいは伝わっていたのだろうか…と考え込んでしまった。伝えるって難しい…。

・やっぱ幼き頃の少佐と大佐が美少年で普通にテンション上がってしまった。