まりぃくりすてぃ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

1.0
今年2020年の最低作。大げさな音楽で覆われた小げさ?なチョコマカした140分間のうち、私を惹きつけてくれたシーンは総計たった8秒程度(後半の雨んとこ)。今年いろんなことがあった中、全力で生きてきた私にとって、元旦以来最も意味のない(こうして叱り文を書く結果になったという以外に完全に無意味な)140分間となった。
あんまりにも面白さが皆無なため、退室したくてしたくて序盤からお尻が浮力に苦しみつづけた。幸福の科学のアニメ『宇宙の法』にさえ惜敗しちゃってる退屈さだ。全世界の映画史を俯瞰しても『死霊の盆踊り』とどっこいどっこい。
ヘタクソだから、じゃないよ。技術やセンスや手間暇や人材や真心がどうしたこうした以前の問題。要するに、最初っから最後まで全然面白くなかったのだ。面白くないものを作るのはやめて!
人の病死や戦争を、具としてポコッペコッと描き込んでそれが何になる?? 死や戦争をどうしたいの???? 思想は何???????

☝ 主観的かな。

☟ 客観的にも。

〈本作の病的要素①〉
世界観全体を西洋コンプレックスが覆いすぎてる。金髪碧眼ヒロイン(鼻ぺちゃ)たちに典型的ジャパニメーション声を出させ、人名やキーワードに英語やポルトガル系を直接ちりばめ、そして狙って無国籍風にすればするほど19世紀半ば頃?の欧州コンチネンタルに恋い焦がれてる原作者の無脈絡な心情が来ちゃって来ちゃって、、誰に向けて何がやりたい世界観なのかほとんど解せなかった。
原作者たちには東洋人としての誇りはないの? 日本じゃなく現代ユーロの白人として生まれればよかったね。いくら欧州への憧れの芯のところの卑屈さをプウプウ膨らましたって、しょせん日本人なんて(日本国内では相当なルックス上位者であったとしても)彼ら白人の上機嫌な時は「黄色い猿~」と朗らかに罵られ、不機嫌な時には「ウイルス! チャイニーズ!」と石をぶつけられるんだよ。これが2020年に地球で起こったほぼすべてだ。病気で誰が何人死のうが私の知ったこっちゃない。それより、全世界で、中国人と韓国人と日本人が「コロナウイルス」呼ばわりされて有形無形の暴力を受けた今年を、私はそうカンタンには赦さない。国連はいったい何やってんだ。そろそろ脱退しちゃおう。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンちゃんは「永薗菫(ながその・すみれ)」か「庭野紫(にわの・むらさき)」でいいじゃん。ドールという職業名は「文雛(ふみびな)さん」か「人形(ひとがた)さん」でいいじゃん。あー、日本語って美しいね。さすがに明治っぽい画には挑みたくないかな? 大陸戦争って何ですか?
こんな映画を観ちゃった後、デトックスしたくてしたくて私は久々に近藤勇大先生のお墓参りをしないわけにはいかなくなった。そしたら、もう何カ月も誰の訪(おとな)いもなかったみたいで、ひっそりした小さな寺の裏墓には埃だらけのわずかな折り鶴以外には何も飾られてなかった。千羽鶴を持参しなかったふつつかを悔いつつ私は、日本人の一人として大先生に掌を合わせて映画人たちの代わりにお詫びした。「あなたが命を懸けて守ろうとした尊皇攘夷を、せめて私だけでも忘れずにいます。この国は私に任せてください。……あ、でも、龍馬と西郷も好きです。すいません。今日は帰ります。アーメン」

〈本作の病的要素②〉
こっちは京アニの問題。いちいちヒシャカイシンド症候群の発作を起こさないでほしいな。観客が求めてもいない(物語上、必要もない)時にもほぼずーっと背景をぼやかして、ぼやかして、何かをやろうとしてるけど何もやってない。執拗に。スクリーンの何割かが常にこうしてストーカー的な霞(かす)みにずっと喰われてる、っていうのは、まるで「後部硝子体剥離」か「眼底出血」か「加齢黄斑変性症」に罹った観客が「視えないわぁぁ」と目をこすりたくなっちゃうみたいな不快を生んでるかもよ。意味なくぼやかさないでね。綺麗でもないでしょ。そのこだわりは、もう異常だよ。