みかぽん

僕はイエス様が嫌いのみかぽんのネタバレレビュー・内容・結末

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

祖父の逝去で、家族で引っ越した祖母宅からミッション系の小学校に通い始めた主人公、由来君。そして自分だけに見るようになった小さなイエス様と、彼が与えてくれた(?)親友の和馬君との出会いと別れの物語。

昨日まで神様に和馬君の命乞いを続けていたのに、その願いが叶わなかった翌日には、サクッと机上に花を置く先生の行動に思わず「そんなに早く⁈」と憮然とする由来君。
故人が好きだった青色リクエストで花を選び、手向けられた白い花をごみ箱にドサっと捨てて差し替えてみたり。また肝心な時に雲隠れし、しかし遂に申し訳なさそうに姿を現した妙に人間っぽい小さなイエス様@ ホログラム風を、分厚い聖書で躊躇なく叩き潰してしまったり。

しかしそれは、大切な人を理不尽に奪われた側の収まらない憤りであり、なくした人間の違和感ない感情のあるあるだった。
由来君が読む弔辞の前半は母親が提案した内容で構成されていたが、後半になるにつれ、叶わない和馬君とのその先がまだある未来として語られ始める。
それを耳にする周囲にとっては、混乱にしか思えない違和感だったはずだけど😢

そもそも神様って何なのかな。
威厳があり、神々しく、恐れ多い存在なのだろうか。またそうでなければ信仰の対象になり得ないのだろうか。
否、心の平穏のために寄り添ってくれ、その先の希望に内在してくれるなら、由来君にとってはカッコ良くて、サッカーが上手くて、クラスの人気者で、自分と仲良くなってくれた和馬君という存在の中にこそ、その姿は見い出されていたのではと。
みかぽん

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