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僕はイエス様が嫌いのmuraのレビュー・感想・評価

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
4.2
主役の少年が演技をしているように見えない。振る舞いがあまりにも自然で。

祖母が暮らす田舎町へと引越してきたユラ。新しく通うようになった学校では毎朝礼拝がおこなわれる。戸惑いながら参列するユラに校長が手渡したのが1枚のカード。そこにはイエスの絵が描かれていて。以降ユラのまえに小さなイエスがあらわれるようになる。願いごとをかなえてくれるイエス様にユラは「友達ができますように」と願う。そうしてできた友達がカズマだった…

少年の心情の変化を丁寧に描いていく。これがうまい。ところどころで大きな変化があるはずなのに、抑揚もつけず、あくまでも自然に。カメラを長くまわして、子供たちに演技をまかせる。これが本当に演技に見えなくて…

なかなかなかった映画体験。

少年は、学校では聖書を読み、家では仏壇に手を合わせ、外に出れば神社にも参る。さまざまなかたちで祈る。願う。そのなかでイエス様を見いだし、信頼を寄せていく。しかし…イエス様は「できないことは何もない」はずなのに、最後は願いをかなえてくれない。

でも、そこが少年を成長へと向かわせるんだろう…

(以下ネタバレあり)
いろいろなことを考えさせられた。とくに最後は。「大人になってまた会う、また一緒にサッカーをする」っていうのは…。そして、これは監督に実際に起こったことなのか…。となるとまた違う感情も湧くなと。不思議。
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