10円様

アルキメデスの大戦の10円様のレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
3.8
最近少しばかり地雷気味の山崎監督。本当はもっと面白い映画を作れるのになぁ〜と思いながら、また戦争映画か…基本日本の戦争映画ってあまり迫力あるとは言えんのです。兵隊の大袈裟な演技や半端ないCG。あと何年経ってもアメリカ並の戦争を作れるとは思えない。
今作は原作未読ですが軍事内部を描いた物語なのですね。空中や地上でドカドカやらないで不正を暴くタイプの映画。それでもつまらなそう空気は満載だったのですが、唯一の救いは菅田将暉でした。彼が出てくると一気に雰囲気が変わるのですが、それだけではありませんでした。柄本佑、舘ひろし、國村隼、田中泯、彼を取り巻く役者陣も本当に良かった!

話の構成も大和が沈没するところから始まり、過去に遡り戦艦を作るか空母を作るかで争います。結局戦艦作るんでしょって分かるんですがその中にも軍人特有の思惑やプライドが散りばめられていて、ミステリーや法廷物に近い要素があり、かなり引き込まれてしまいました。主人公の心境の変化や葛藤。ものを作る人なら絶対わかると思う。好奇心が倫理観を越えるってのは、人間無きにしもあらずですね。こういう斜め角度から映画。日本の戦争映画はこの路線が面白いですね。

私は戦争兵器とか詳しくないんですが、造詣深い友人の話によると大和ってのは世界的にみても美しい船なんだそうです。時代考証はめちゃくちゃだと言いますが、まあそれは映画的ご愛敬って事で。
山崎貴。次はドラゴンクエストを観なくては。実はなんだかんだで面白い気がする。
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