エンドロールが流れた瞬間の感じ、なんて言うんでしょう、空虚感、放り投げられた感じ、なんだかうまく言葉が見つからないし、どの言葉とも違うし。ぜひ味わって頂きたい衝撃の連続です。
片山慎三監督は長らくポン・ジュノの助監督として活動してきた人物だそうで、そのテイストが上手いこと邦画に流れ込んだ印象です。まさしく韓国映画的なエッセンスを感じます。特に兄のどうしようもなさ。しかし、兄の破滅的な思考がたまらなく狂的なのに共感性が高いのは、地方都市に潜む福祉面での闇が垣間見えるからでしょう。ここが日本らしい点です。
あと、ロケーション。撮影に丸1年を費やしたという本作、映像的にも演出的にもめちゃくちゃ協力的だったのが伝わってきます。良い港町選んだなぁ。
本作を観た方にぜひお聞きしたいのが、ラストの解釈。意見が分かれるとかではなくて、そもそもの考えすら浮かばないレベルなんですよ。なぜそこで終えたのか。
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