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mid90s ミッドナインティーズのRenのレビュー・感想・評価

3.0
人生初の渋谷シネクイントで鑑賞。めちゃくちゃ人入ってた。ほとんど内容を何も知らず、ポスターの感じとA24のネームバリュー、評価の高さだけを頼りに観に行った。

決して青春の華やかさを切り取っているわけではなく、予想とは違った雰囲気を持つ映画だった。
若さ故に、誤った道へ進んでいく少年達を等身大のまま映し出した映画で、舞台は20年以上昔の町のはずなのに、新鮮で新しく感じた。4:3の画面比と粗めの画質もいい味を出している。

タイトルの『mid90s』の割に、あまり当時の社会情勢に関する描写は無い。終始、スティーヴィーの家族と仲間のみにスポットを当て続けることで、主軸がブレずに物語にのめり込むことができた。フジファブリックの志村正彦があの名曲に『若者のすべて』というタイトルを付けたセンスに似ている。

この映画の主人公のように、強さというものを勘違いしていた時期、自分や周りの友人にもあったなあと思ったりした。別に大人に歯向かったり仲間と悪行を繰り返すことが強さでは全くない。きっと、若き頃の青さみたいなものを観る人全員が思い出してしまうだろう映画。ストーリーが比較的薄味なので、そのぶん登場人物達の行動や台詞に、自分はどうだったかな、と重ね合わせることのできる作品なのだと思う。

オープニングで「A24」をスケボーで表しているのが凄く好き。
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