シネマスナイパーF

オーヴァーロードのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

オーヴァーロード(2018年製作の映画)
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千年王国には、千年生きる兵士が必要
この手の映画は千年後も愛されてると思うよ
これを面白がらずに何を面白がるのか
ニッコニコで映画館出ました
クロエ様最高

ゲテモノとされるものを、そのものが持つ魅力を余すことなく見せ切りながら、あらすじだけではない「映画」として真面目に作る
観客を舐めない真面目さは面白さに直結するんだなと改めて感じた


オープニングの途中までを切り取れば、なんのことはないその辺のDVDスルーでも同じぐらいのワクワク感が得られるかもしれない?いやそんなことはなく、銃撃が機内まで影響を与え出してからの緊迫感はなかなか味わえるものじゃないし、窓の外の景色の使い方とか絶妙に怖いし、終わってみれば、このオープニングはとても周到なキャラ紹介であったとわかる
軍曹殿による如何にも強引な鼓舞は、「一応こういうノリ系の映画ではある」というメッセージにとれなくもない

「死んだ奴に執着するとお前も死ぬ」というセリフがあるぐらい死の香りを感じさせる戦争ものであるこの話でこういう物語を作り出しているので、キャラクターの生き様に筋が通っていて素晴らしい
殺しても再生する輩たちを相手に、今まで何が相手だろうと殺しをしたことのなかった主人公が立ち向かうのに対し、今までの戦場でおそらく殺しに迷いがなかったであろう伍長が最後にとる選択が胸を熱くしたりと、ドラマがしっかりしている
敵として登場する将校は、主人公サイドとは反し、若い女性を女性としてのみ利用し、文字通り醜いまでに生に執着する
対比が綺麗なので、月並みな言葉ですがやっぱり筋が通ってて面白い話になってるんですよ

敵の設定そのものに新鮮さはありませんので、そこは確かに既視感の塊です
というか展開もキャラクターの配置の仕方も既視感は大ありです
でも、やっぱりお約束ってのは大事なもので、しっかりやれば面白いし、面白ければ無問題でしょ
子供とか上手くやらないと安易な感動展開のためのハリボテになりかねない、実際いるかいらないかギリギリのラインだけど
キャラクターづけも決して雑じゃなくて、不可抗力で犠牲になる人物にも最後にはフォローがある
言っちゃえば、どうせみんな伍長のこと絶対好きでしょ?カート・ラッセルの息子だぜ?かっこよすぎる


血清で起こる作用の違いに明確なルールづけがされていなかったり、緩いとこはとことん緩いです残念ながら
でもくっそ面白い