ピロシキ

ROMA/ローマのピロシキのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.4
夜な夜なイヤホンをつけてひっそりと鑑賞するのも悪くないとは思うけど、やっぱり、劇場で観てみたい。大きなスクリーンとちゃんとした音響設備が欲しかったというだけではなくて、「な ん か も の す ご い 映 画 観 ちゃっ た で . . . 」という感動を、できれば満員の一体感の中で、味わいたかったのだ。

構図を狙いに狙いまくった絵画のようなショットの連続。後光差す奇跡のような砂浜のシーンなんて、映像単体でもじゅうぶん驚異的なのだが、抱き合う家族の中心にいる女性があらわにする心情に泣く。アルフォンソ・キュアロンの「映像作家」と「ストーリーテラー」としての才能が両側から爆発するような、象徴的なシーン。せっかくNetflixなんやから、ここだけでも何回も観てやるわ。

ROMAは、ひとりの女性を苦しみから解き放つ、慈愛についての物語。と同時に、この映画には「男なんてバカばかり。特に、映画館に行ってもロクに映画も観ないで途中で帰っちゃうようなフルチン野郎は、犬のクソより先に洗い流せ」という裏のメッセージも含む(多分)。絵に描いたような傑作。
ピロシキ

ピロシキ