けんたろう

ROMA/ローマのけんたろうのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
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ちんちんぶらんぶらんのおはなし。


イオンシネマが声を上げてくれてからおよそ1ヶ月…ようやく観られました( ̄▽ ̄)

実際、見てみると、NetflixがATMOSでないと上映させたくなかった事も、UPLINKがホワイトスクリーンを宣伝していた事も理解できる。それはこれが"環境"の映画であるから。例えばカメラは、主人公のクレオが周りの全てに翻弄される様子を撮り続ける。つまりクレオを捉えているようで、クレオの周りを見せている。またスピーカーも、クレオの周りの音をひっきりなしに鳴らす。つまりこれは"環境"の映画なんだろう。
そのクレオが海辺で一家と抱き合い、その一体の中心に陽光が射し込むショットは、今まで素通りしていた環境と合身するようでとても美しかった。

さらに今作は白が圧倒的に美しく、白を最も際立たせるのは黒である事を改めて知らしめる。モノクロ映画には心惹かれる何かがあるが、それはきっと白と黒のコントラストの中に隠れているに違いない。

さて現実に戻るが、もしかしたら人生の中にはモノクロな瞬間があるのかもしれない。白が、光が、どうしようもなく美しい。そんな瞬間があるのかもしれない。
その時が訪れるよう、身の回り、すなわち環境に目を向けることは大切であると、今作を通して思った。……まあつまりは、こうやって映画ばかりを観るのではなく、もっと家族や友達との時間を作らなければいけないという事だ。うぅん…反省の一念に尽きる。