あーさん

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のあーさんのレビュー・感想・評価

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こんなにドキドキ・ワクワク気分で映画館へ向かう日が来るなんて!!

慎重派の私は受験生がいたのもあるけれど2月からずっと映画自粛していたので、実に4ヶ月ぶり。
1年の3分の1の期間、映画館に行ってなかったなんて、、信じられない。
だからこそ、最初に観る作品は本当に観たいものにしたかった。。

迷いに迷って選んだ今作は、それに相応しい素晴らしい作品だった!


私自身が4姉妹であるという嬉しい共通点もあり、原作が大好きできっと今作は間違いない、という安心感からめちゃくちゃ期待値は上がっていたのだが、、

その期待を軽く上回る作品になっていた❗️

アメリカの南北戦争時代のお話なので、まるで当時にタイムスリップしたかのような感じ。衣装や年代物の調度品等が本格的!
そして、キャストの華やかさ。
当時の歴史的背景を下敷きに、家族愛・姉妹それぞれの個性や夢・恋愛模様が、画面の其処彼処にこれでもかー!と言わんばかりに描かれていて、観ていて楽しくて仕方がなかった!(切ないシーンもあるけれど…)

一つ一つのエピソードが、愛しい。。

現在と過去のシーンを交互に挟み込んでいくスタイルは、テンポが良く、なるほど、、と納得しながら話を追うことができた。この時代の女性がどうやって生きていくのか、4姉妹を通して考えさせられる部分も描かれている。
ラストの展開もこのファミリーらしいというか、伯母さまの粋な計らいもあり、ジョーらしくて素敵だった。
結婚か?仕事か?ではなく、どっちもやれば良い、というのは、監督自身の考え方を反映しているのかな。
"レディ・バード"は観ていないけれど、これからもグレタ・ガーウィグ監督作、注目だな(フランシス・ハ"では、主演も!)。

姉妹物で長女は一人老けた感じで無難な役回りになってしまうのがいつも不満だったが(私は長女…)、メグのキャストがエマ・ワトソンなので、姉妹というより友達感覚の仲良し姉妹という印象で、とても嬉しかった♪
エマ・ワトソンはこういうお利口さんなキャラがよく似合う。私としては長女を可愛く演じてくれてありがとう!なのである笑 
実際、控えめで真面目なメグのイメージにピッタリだった。
家庭に幸せを見出そうとするところは、自分自身とも重なる。

次女のジョー役はシアーシャ・ローナン。出演作は観れていないのだが、彼女の佇まいが好きだなぁ。。とっても魅力的な女優さん!
何作もある若草物語の映画、実は今作が初めてなのだが、こんなドンピシャなキャスト、他にないのでは⁈ と思うくらい、ジョーだった!!
一例がパッケージの走っている写真!あれが、ほんっとにジョーをよく表していて、予告を観た時からすごいなぁ〜と思っていた。ジョーらしく、もっと言えばさらに魅力的に演じてくれていたんじゃないかなぁ。。

三女のベス役は、エリザ・スカンレン。大人しくて病弱な女の子なので影が薄くなりがちだけれど、人一倍優しくて純粋な彼女は、家族の中で天使のような存在。彼女のことを悪くいう人なんて、一人もいない!そんな健気なベスを繊細に演じていたと思う。ピアノの調べがとても美しくて、ベスの心を表しているよう。。(本人が弾いているとのこと)

四女のエイミーは、話題のフローレンス・ピュー。お名前が、マヨネーズが出てきそうなイメージなのだけど笑、パッと見とハスキーボイスがスカーレット・ヨハンソンぽいと思ったら、秋に公開延期の"ブラックウィドゥ"で姉妹役のよう?動じない雰囲気が何となく似てるかな。
いやぁ、このエイミーだけちょっと思っていたキャラと違うかなぁ…と思ったのだけれど(私の中でエイミーはちゃっかりしてるけど、もっとおしゃまで可愛らしい感じ…)、ピューちゃんのエイミーは少しばかりドスが効いてるというか、したたかさが前面に出ていたのかな。。なので、最後あの人と、、という展開に、ちと無理を感じてしまったのは私だけ⁉︎ きっと私だけだな。。(でも、確かに末っ子はしたたかで上昇志向が強い↗︎)

優しくて慈愛に満ちたお母さん役は、ローラ・ダーン。"スターウォーズ 最後のジェダイ"で、母性溢れるホルド提督を演じたのが記憶に新しいが、ドラマ ダウントンアビーのお母さん役エリザベス・マクガヴァンぽくもあり、どちらかというと古き良きというよりも5人姉妹の長女?のような感じで、気さくで話がわかる現代的なお母さん。ジョーに"あなたは昔の私によく似ているわ"と話すシーンが好き!

父の姉である伯母様役のメリル・ストリープ、おばあちゃま的存在感が凄かったけれど、あれは特殊メイク⁉︎(実際70歳だけど、本人はもっと若々しいはず。。)
リアルでシビアな発言が目立つけれど、伯母様的視点で姉妹を応援しているところが、また心憎い。
いずれにせよ、ポスト・マギースミスのようだった!

やはり姉妹ものとあって、男性陣のパンチが少し弱いのは否めない。特にお父さんの影が、、(牧師で戦地に赴いている設定なので仕方ないけれど…)
でもその分お母さんが、家にいないお父さんの事をちゃんと立てている所が素敵!
その中にあって、ローリー役のティモシー・シャラメ♪彼の作品も未見だけれど、噂に違わず人を惹きつける容姿と演技力は、抜きん出ていた。華がある!
ジョーとのやりとりが、前半は仔犬がじゃれ合うようだったのに、、後半とても切ない。
隣人でローリーの祖父であるミスターローレンスの、物腰柔らかで優しく姉妹たちをそっと見守る所も忘れてはいけない。。

大好きなシーンは沢山あり過ぎて、枚挙にいとまがないのだが、私が自分たち姉妹の小さい頃も同じようなことやってたなぁ、、と思い出したのは、4人で髭をつけて男の喋り方で演劇調に話しているシーン。もう、これは楽しくて、ゲラゲラ笑ったし、姉妹あるあるだったなぁ。。男の子だったらきっと戦いごっこだよね〜
私たち姉妹はよく漫画のシーンとかをよく真似して演じてた!
ミュージカル調とか恥ずかしげもなく。。友達とはできない事だよね。本当に懐かしいし、あの頃に戻ったような錯覚を覚えてしまった。

姉妹でハグし合うシーンが何かと多くて、さすがに自分達は日本人だからそんな風ではないけれど、でも気持ちは同じかな。
ケンカはするけど、嫌いになんてなれない。やっぱり、姉妹って特別なものがある。
少し前は帰省する度、皆でメイクごっこしたり(眉の描き方講座とか)、昔話に花を咲かせたり、ワイワイしてたものだけど、子どもに手がかかるようになってからはそういう姉妹らしい交流は少なくなっちゃったかな〜
今は、コロナで会えないし。。

私達4人姉妹の昔のあれこれよもやま話を、自分も書いてみようかな、なんて思ったけれど、なんだかんだ言って私は自分のことでいっぱいいっぱいなメグなので笑、ジョー的な次女にお願いしてみようかな。彼女は長く編集者をやっていたし、適任!でも、、きっとこんなに華やかな感じでなくどうしても笑いを入れてしまって、ナニワっぽくなってしまうんやろな。。笑


そんなこんな考えてたら、帰る時一抹の寂しさを覚えて、ちょっぴりセンチな気分になってしまった。。


早く、県を跨いでの移動ができるようになるといいなぁ。。

父が元気なうちに、4人揃って会いたい。

色々長女で嫌なこともあったけど、母に4姉妹を育ててくれたことを感謝せねば!


改めてあったかい思い出の数々を蘇らせてくれた今作にも、とても感謝している。
あーさん

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