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ラ・ポワント・クールトの一のレビュー・感想・評価

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)
3.5
フランスの巨匠 アニエス・ヴァルダ監督長編デビュー作

ヌーベルバーグの先駆的な作品

南仏の小さな漁村を舞台に、生まれ故郷に戻ってきた夫とパリから彼を追って来た妻、危機的な状況を迎えた夫婦と漁村の住人たちの物語を交互に映し出す

デビュー作なので当然と言えば当然ですが、良くも悪くもヴァルダっぽさはそれほど感じられない
しかし後に『幸福』を作り出すと考えれば、なんとなく察しがつくような繋がりが散りばめられているのが面白い

のどかな村の雰囲気が素敵で、どことなく小津安二郎テイストなのがツボ
あえて場面の逆を行くようなコミカルな音楽を流すテクニックを使いながら、夫婦の愛を再認識する散歩の会話も洒落てるし、結局は綺麗にまとめる感じで後味も良い

何度かある夫婦がカメラに向けて顔を重ねるような描写は『仮面/ペルソナ』のオマージュ元なのだろうか
やたらとバシッと決まっていて、めちゃくちゃかっこいい画だったので劇中最も印象深いシーンだった

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿70% 〉
〈 IMDb 7.1 / Metascore - / Letterboxd 3.7 〉

2021 自宅鑑賞 No.286 ザ・シネマ
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