みかん

グリーンブックのみかんのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
素直に、とっても素敵な映画だった!
本作は、アカデミー賞作品賞というよりなにより、ヴィゴ・モーテンセンが見たくて鑑賞しました!
ロードの頃から10年以上とはいえ、あまりの体格の変化っぷりに、予告を見て名前が出るまで彼だと気付きませんでした。。。
役作りで20kgくらい増量したとか。。。役作りにかける熱量もすごい。
私の中では王族の品格漂うアラゴルンのイメージが強かっただけに、本作での無骨で下品で、でも心根は真っ直ぐな男気のある役はとても新鮮でした。全然同じ人に見えなくて、役者ってすごいなぁと思わずにいられませんでした。
マハーシャラ・アリは本作で知りましたが、彼も本当に素晴らしくて、特に雨に打たれながらトニーに自分は何なんだと、心の叫びをさらけ出すシーンの表情ひとつひとつに胸が詰まりました。
ピアノも本人が演奏していて驚きです。バーで楽しそうに演奏する彼は本当に輝いて見えました。

今は昔ほどひどくないのかもしれないと言えるほど、人種差別の歴史に触れるには私はあまりにも無知で。
けど、本作を通じて、自分の小さな世界の中でも、色んなところで、ささやかなことでも、人を蔑んだりする心があれば同じことなんだと改めて思わされました。
人だから人と比べてしまう事はあるけど、それで人を傷つけていい理由にはならないですし。
人を区別するのは色でもなんでもなく、人の心なんだと。
本作で、トニーとドクターはお互いにないものを埋め合わせているような関係で、認め合う部分があるからこそ、お互いの怒りや優しさや厳しさを受け入れることもできたんじゃないかなと。
"どちらでもない"二人で笑い合い抱擁するラストはとても素敵でした。
内容としては「最強のふたり」(こっちも実話だった気がします)と通じるものがありました。
心温まる、ちょこっと寂しさもあって、変わっていく二人の変化が愛おしい、そんな作品でした。
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