ねこ

グリーンブックのねこのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.7
この映画好きすぎてレビューがなかなか書けませんでした!
2018.3/1、待ちに待った公開日に観に行ってきました。


1962年ニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒として働くイタリア系アメリカ人のトニー(ヴィゴ・モーテンセン)。
チップをもらうためにこすっからい手段も使う、やっかいな客がいたりすると暴力で解決する、荒っぽい人でもありますが、その一方で家族や仲間を大切にする優しさもある男です。

働いている店が改装のため2か月休業となるため、妻と息子2人を養うため別の仕事をしないと!と思っていたところ、ドクターが運転手を探していると聞き、面接に向かうのですが、てっきり医者のドライバーの仕事だと思っていたら、カーネギーホールの上にある高級マンションに住む黒人ジャズピアニストであるドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)が南部のツアーの運転手として同行する仕事だったのです。

黒人に偏見を持っているトニーは躊躇しつつも、高額の給料の提示に結局は行くことを了承します。
ここからどうやって二人の意識が変わっていくのか!

英才教育を受けて博士号も持ち、多言語を習得している天才ピアニスト、高学歴・高収入のシャーリーは上品で博識、でも黒人なのにソウルフードのフライドチキンすら食べたこともない・・・

反対に ニューヨークの下町ブロンクスでイタリア移民の家に生まれたトニーは親族、妻や子供に対して愛情深いけれど無学で粗野、すぐカーっとなって乱暴な言葉遣いになったり手が出ちゃう。自分の方がよっぽど黒人らしいと言ってガハハと笑う。

お互いに良い影響を与え合って育まれる友情に時に大笑いして、たまにしんみり泣けちゃったのは、
やはりヴィゴとマハーシャラの細やかな表情や演技力によるものですね。
特にヴィゴ・・・大ファンになっちゃいました。観ていない作品たくさんあるので、これからちょっとずつでも触れていきたいと思いました。

もうめちゃくちゃ好きな映画です!
今のところ、私にとって今年一番の作品と言えそうです。

ヴィゴ・モーテンセンは監督からこの役のオファーが来た時、自分はイタリア系ではないし他に適役がいると断っているんですね。監督のピータ・ファレリーはヴィゴの大ファンで別の映画でも出演依頼をしてきたけれど、いつも断られていて、今作ではどうしても出て欲しかったから何度もお願いしたようです。結果的に根負け(?)したヴィゴは脚本を読んでいくうちに作品を気に入ったこともあり出演が決定したそうです。

ただ実在のトニー・バレロンガとは全然容姿が違う・・・ということで役作りのため20kg増量したそうですが、これが見事!お腹がぽってり。食べっぷりがすごかった!ここ見どころ!!

トニーの家の大きなミートボール入りミートソースパスタ、近くのダイナーで大食い競争するホットドッグ、奥さんお手製の具だくさんサンドウィッチ、車の中で手をベタベタにして食べるケンタッキーのフライドチキン、ツアー中ホテルの部屋でかじりつく大きいピザ(これを2つ折りにして食べちゃう豪快さ!この食べ方衝撃的だったー)がとにかく印象的。

どうやら映画で食べ物、動物、音楽が私の琴線に触れる部分が大きいと忘れられないものになるらしい 笑

実在のトニーの息子さん(ニック・バレロンガ)が父トニーにこの南部での旅について詳しく語ってもらい、ドクター・ドナルド・シャーリーにもインタビューを行って出来上がったこの物語は、実話にかなり近いものとして仕上がったに違いないですね。

50年以上の親交を続けた2人は、2013年1月にトニーが82歳、シャーリーが同年4月に86歳とおよそ3か月しかあけず亡くなっています。

トニーの瞳、車、シャツ、奥さんのカーデ、高ーい空のブルーが目に涼しい。美しい南部の風景。言いたいことがたくさんありすぎて書ききれないほど。好きだ―
もう1回ゆっくり観たいなあ。。。
ねこ

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