ベルサイユ製麺

狂人ドクターのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

狂人ドクター(2017年製作の映画)
2.5
惨苦の時…。
なんだってんだよ、ジェームズ・フランコ。
個人的にはとにかく広く誰からも愛されそうなルックスのチャーミングさと、それに反して全くキャリアの為にならない作品選びのセンスとのギャップが不憫で応援しているというのに、わざわざ自分で監督して底辺映画を作ってしまうとは…。フォローのしようが無いッスワー!

タイトル、『狂人ドクター』!!…流石にそこまでストレートに表現すると高須院長も怒って、寝てるうちに手術で余り皮を縫い足されちゃったりしないかしら?…フランコの事、心配です。

えーと、上流階級の女性向けの医療施設、ローズウッド病院で酷いことが行われてましたぁー。120年ちょい前の事ですぅー。フランコはそこの医師の役ですぅー。あーあ…。
オープニングで“実話に基づく”とか出ますけど、検索に何も引っかからないので、“昔”に “病院が有った”位の事実に基づいているんじゃないスカねぇ。
ストーリーは物凄く古めかしい感じで、軽度の神経症で入院した育ちの良い娘さんが、病院のサタニック👿な秘密を知り、しかし逃げ出すことも出来ずに洗脳されていく…みたいな感じで、要所要所にホラーげなシーンが入りますよー。
…我ながら恐ろしいのですけど、昨晩観たばかりなのに、この映画がカラーだったかモノクロだったかマジで思い出せません。どなたか観たら教えて下さい。

まあ寧ろ“古めかしさ”がこの作品の美点の一つでは有る気はしてまして、例えば病院で小間使い的に働く男が背むし男だったり、洗脳に使う薬物にトリカブトが入っていたり、あと振り子状に揺れるギロチンとか出てきて、この方向性でもっと徹底していたらモンド映画として(のみ)一目置かれ得たような気がします。それかファミコンの『悪魔城ドラキュラ』の実写化。コナ〜ミ。
肝心のジェームズ・フランコは変態医師役なのですけど、丸メガネにカイゼル髭とかなので、素顔あんま分かんないし、もう正直誰でもいいよ、こんなもん!…もしや、それがやりたかったの⁇
今作、一応ホラー映画として作られているのだとは思うのだけど、制作意図のつかめなさ以上の不気味さは作品からは感じられないし、一番ダイレクトに怖いのはオープニングで映し出される古い白黒の医療現場の写真群だという有様です。白黒写真はホント怖いからやめれ!アレは夢に出やすいんだよ!

…薄々感じ始めているのですが、ジェームズ・フランコ作品を追いかけるというのは、ひょっとするとニコラス・ケイジ作品を追いかける以上の苦行なのではないか⁈うおお、逆境!燃えてきた!!
俺は観る方向で頑張る。フランコはあまり映画に出ないという方向で頑張ってくれ!!!

一回締めくくって(?)から、ふと思い出したのですけど、この作品全体のムードになんとなく覚えがあるなぁと思ったら、おそらくタランティーノ&ロドリゲスの『グラインド・ハウス』の中のフェイクトレイラーに近いんじゃないかな?
でもまあ、あの短いトレイラーの方がまだ面白いくらいではあるので、やっぱり別に観なくても良いと思います。コレよりYouTubeで他の映画の予告編でも観た方がナンボか良いだす🔪