このレビューはネタバレを含みます
狂ったような早口でまくしたてるケネス・ブラナーは、ジミーのひょうきんさ、皮肉っぽさ、歪んだ知性、怒り、苛立ちを余すところなく表現しており、リチャード・バートンよりも原作のイメージに近い。エマ・トンプソンがハンサム・ウーマンという感じで、「誰が見ても美しいと言う」アリソンには適役ではないと思う。室内劇だが、ジャズで彩られたスタイリッシュなリチャードソン監督版よりも見やすい。ヘレナが自分という男によって変わった(教会に行かなくなる、アリソンと同じネルシャツを着てアイロン掛け等)ことに対する皮肉もしっかり再現。