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ストレイ・ドッグのBATIのレビュー・感想・評価

ストレイ・ドッグ(2018年製作の映画)
2.6
人生のあらゆる選択を間違い続けてきた女が「それでも自分の人生を誇る」のではなく、全ての罪を数え落とし前をつけにいくのは主人公も監督も女性なのだから。見窄らしさも良い塩梅。ただテーマに対する思い入れが強くて各シーン切れない「重い」映画になってしまった。

自分の苦手なタイムシャッフルがこれでもかと編み込まれ、体感では三時間超えるくらい長く感じてしまった。テレビドラマでやった方が良かったかもしれん。今の自分があるのは今までの自分の選択の積み重ねであるとロマンもナルシスもなく描くのは好感なんだが...。

母をうまくやれなかった不器用すぎる女というのもやり方が下手過ぎるからなんだけど、母を聖なるものにしていなかったね。教会がよく出てくるのもその描き方も所詮は「箱」と思える描写だった。

美しく見えるラストが私には眩しすぎてしまったのはスコアのロマンティックさのせいだろうか。ハードボイルドにしようとしても溢さなかった涙が溢れてしまっているような映画だった。私はあまりノれなかった。S・クレイグ・ザラーくらいのタイム感というかグルーヴとドライさで観たかった。

男たちに消費されていく10代から20代の女というサブテーマは頷きながら観ていました。
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