さうすぽー

アド・アストラのさうすぽーのレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
4.2
自己満足点 81点

「Pel Aspera Ad Astra」(困難を乗り越えて 星へ向かう)
これはラテン語の格言だそうです。

丁度アニメの「彼方のアストラ」を観てこの意味を知りました。
アド・アストラというタイトルはそこから来てるみたいですね。

さて、ブラッド・ピットが宇宙もののSFをやると聞いて最初は驚きました!
今までは大作映画でも「オーシャンズ」くらいで基本的にヒューマンドラマ寄りだったので、ここへ来て宇宙飛行士です!

僕は正直この映画に対しての期待は半々でした。
予告を観た限り、映像は綺麗ですがストーリーがB級っぽいSFな感じがしたので少し不安はありました。

しかし、そんな想像を吹き飛ばす傑作でした!
とは言うものの、この映画どうやら賛否が割れてるようですがそれでも個人的に大好きな映画でした。

この映画は宇宙飛行士が海王星を目指すSF映画ですが、アクション映画を期待してしまうと確実にガッカリしてしまいます。
ブラッド・ピットが海王星に取り残された父を探す物語でありながら、「ある計画」を実行する物語です。
どちらかと言うとヒューマンドラマ要素が強い話で、「宇宙空間での孤独さ」や「夢に囚われた狂気」なども盛り込んでいて、そこに僕は非常に考えさせられました。

宇宙に取り残された苦しみと宇宙船に長時間滞在する過酷さも描かれていて、それがかなり映像で伝わってきます。
それでいて、宇宙空間の映像は「ゼログラビティ」や「インターステラー」に匹敵するくらい綺麗で何度も映像に浸っていました。

また、この映画は親子の物語でもあります。
ブラッド・ピット演じる主人公が心の内に抱えていた父への愛情と憎しみ混じる複雑な感情がまた良いです。
だからこそ、終盤は非常に感動しました。
自分は宇宙と親子の物語には弱いのかもしれません(笑)

また、予告でも思ってましたが撮影が非常に美しいです。
「インターステラー」の撮影監督が撮影してるのですが、各フレーム一つ一つがきめ細かくこだわりを感じていて、特に火星での場面は圧巻でした!

ブラッド・ピットは今作も素晴らしいです!
先月観た「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ではセクシーで格好いい姿が非常に良かったのですが、今回は打って変わって人間味がある重厚なブラッド・ピットが観れました!
一部で言われてる「史上最高の演技」とまでは思わないものの、でも素晴らしかったです。

ただ、悪い所や突っ込みどころもありました。
予告でも見られるアクションシーンですが、敵に狙われる可能性があるのにオープン式のジープみたいな車だと危ないし無防備過ぎます。
実際、かなりな被害に合ってるし(笑)

あと、火星から海王星に行く際のいざこざは完全にブラピが悪いです(笑)
宇宙飛行士なのに、「それはダメだろ!」というような行動をとってしまうので、そこは結構残念でした。

問題もあるので賛否が分かれるとは思いますが、それでも僕は好きなスペースSF映画でした!
自分がブラッド・ピット大好きだからという点もあるかと思いますが、自分は心満たされた映画でした。