さうすぽー

アマンダと僕のさうすぽーのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
4.6
自己満足点 90点

この映画を観るためにわざわざ初めて行く劇場へ足を運びました。
周りの人で観てる方全然いないのですが、この映画を知ったきっかけは映画解説者の中井圭さんが激推しした映画で、熱烈に語っていたので興味を持ちました。

本当に観て良かった!
ここまで心が満たされるとは思わなかったです。

アマンダというのは主人公のお姉さんの一人娘の名前でして、主人公は忙しい姉のためにたまにアマンダの面倒を見ています。
恋人も出来て順風満帆な時期に突然、お姉さんを失ってしまいます。
残された主人公と姪のアマンダのお話です。

実際に起きたパリの事件をモデルにしていますが、事件自体を追ったドキュメンタリータッチの話というわけでなく、突然大切な人を失った遺族がどう立ち直っていくかを描いた話です。

よくある感動ものだと思ってはいけないです。
本当に感動で泣ける作品というのは何かが素晴らしくないといけないと思います。

今作で素晴らしかったのは、主人公の俳優とアマンダを演じた子役の演技です。
この二人が本当に良いんですよ!!
本当に素晴らしい!

アマンダ役の子は天才です。
エンドゲームで出てきたトニーの娘役の子も良かったのですが、この子の芝居は比べ物にならないくらいです。
一つ一つの表情や細かい仕草等が非常に繊細で、お母さんや主人公の絆を感じさせられます。
また、お母さんを失った後の寂しさや悲しみ、そして泣きの演技は本当に心揺さぶられます。
終盤でドアップで映される、泣いた後に笑う表情良かったなぁ...

また、主人公は少し頼りない好青年なのですが、演じた俳優がもろ頼りなさそうな雰囲気が出ていて良いです!
この主人公は心が不安定な状態でアマンダを引き取る選択肢を突き付けられるので、自信が無いんです。
その不安な表情も良いですし、彼もまた泣きの演技が物凄くリアルで感動しました!

細かいところで好きじゃなかった部分を上げると、
終盤にベッドシーンが描かれるのですが(描写はソフトです)、その入れ方があまり上手くなかったように感じます。
個人的に入れなくても良かったかな(^_^;)



ここからは僕個人の話になるのですが、
先日京都アニメーションの火災事件が発生し、大勢のアニメーターが亡くなりました。
僕も京都アニメーションの作品が大好きな一人だったので、この事件には胸を痛めました。
今でも思い出すと胸が苦しくもなりますが、今は一応落ち着いています。

そんな中でこの映画を観ました。
実際の事件をモチーフにしている事を知らなかった状態で観たので、結構辛く感じました。
しかし、悲しみを抱えながらも寄り添う事で次第に笑顔が戻っていく主人公とアマンダを観て完全に心が救われたような気がします。
だから、この映画を作った監督には感謝の言葉を述べたいです。
本当にありがとうございます。

ジャンルは完全にヒューマンドラマなので少し単調な部分もありますが、辛い展開になりながら最後は心が満たされるような映画です。

劇場があまりにも少ないので観に行ける人も限られるかもですが、DVDリリースされたときに是非とも観てほしいです!

2019年 ランキング9位