主人公とその母親の性格がキツすぎる。
甘ったれ・わがまま・感謝できない、で全く可愛くない。語り手としての冷静な一面と、まだ子供だからという部分で納得できる部分はあるが、母親は有り得ない。
話を聞かないし、思い込みが激しく、人の気持ちになれない。大声を出し、感情の上下が激しい。同性愛者など大多数からはみ出る価値観を認めず、病院で治すなどと言い出す。夫を男に寝取られ、息子が出ていき、という可哀想な境遇にも関わらず、全く幸せになって欲しいと思わなかった。
この映画唯一の良心は、アジェイ親子。上記2人のワガママな言動に辛抱強く付き合い、さまざまな手助けをおこなう。借金してまで手術費を捻出した上に、それを隠していたこと。こんなかっこいい生き方なかなかできない。
ストーリーも、想像外のことがあまり起こらなかった。精神科医に話す内容を映像化するという構成が、何にも効いていないし、必然性を感じないことがしばしば。息子の学校内での振る舞いも、部分のみだし、謎が多い。
思春期の難しい感情か、家族愛か、同性愛か、テーマの深掘り方がどれも中途半端に思えた。
