踊る猫

フェミニストからのメッセージの踊る猫のレビュー・感想・評価

3.7
登場する女性たちの顔つきが気になった。凛々しいのだ。美人、というのとは違う。少なくとも「美人」というカテゴライズが「男(私もそのひとりだが)の価値観によるもの」であるとするなら、そんな男の思惑を振り切るようにして彼女たちは自分たちの戦いを高らかに語る。男女の雇用機会の均等や同一賃金を訴え、男が定めた文化的コードを逸脱すべく新たな文化を生み出そうと模索する。このドキュメンタリーを観ている限りでは(私の教養のなさが遠因ではあろうが)その「闘争」がどのようにして始まり、どのようにして動いていったか一本筋の通った形で示されないのでややわかりにくい印象を受ける。また、彼女たちの戦いのユーモアにある種の笑えなさというか痛々しさを感じるのも事実ではある。しかし、そうした部分は瑕瑾である。彼女たちが踏みしめた道を私たちは歩き、そして次の世代も歩く。そんな「次の世代」への夢を託し、世界的に女性同士がつながろうとするグローバルな活動を試みた彼女たちの先見の明に改めて唸らされる。
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