踊る猫

ラブ・アクチュアリーの踊る猫のレビュー・感想・評価

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)
4.6
実に完成度の高い映画だ。巧すぎる、とも言える。空港で始まったこの映画は空港で終わるという円環構造を成しており、その円環構造の中に多様なギャグをこれでもかと盛り込んで(個人的に乏しい鑑賞経験から語るならば、ルビッチのタッチに近いとすら言えないだろうか?)ややもすると予定調和的に感じられるこの映画に豊満なカオスを生み出している。そのカオスの中でクスクス微笑みながら観ていると時間を忘れてのめり込むこともできる。それにしてもイギリス人気質が強く匂う映画だ。さり気なく登場するローワン・アトキンソン、マーガレット・サッチャーの肖像画、そしてビートルズ。こうした愛国精神が出てきたのは時代の要請か、それともリチャード・カーティスとはそうした愛国主義者なのだろうか。今の私にはそこまで読み取る力がないのが口惜しい。「大人のエンターテイメント」として支持したい。この映画は立派に老若男女が楽しめる(にはちょっとエッチ過ぎるかなとも思うが)王道のラブコメだ。
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