わしかずまの中の人

運び屋のわしかずまの中の人のレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.0

【あらすじ】
長年、園芸家として働いていたアール・ストーンは、仕事を理由に家族をないがしろにしており、その結果見放され、孤独な日々を送っていた。
ある時、男から「車の運転さえすれば金をやる」との話を持ちかけられる。
その仕事は、ドラッグの運び屋。
アールは麻薬取締局の捜査官、コリン・ベイツに追われながら、家族との関係を修復しようとする。

【事前情報】
今作の主人公、アール・ストーンのモデルになっているのは、第二次大戦の退役軍人であるレオ・シャープ。
退役後、彼も園芸家としてデイリリーを栽培しており、麻薬の運び屋を務めた理由として、「デイリリーと同じようにコカインは人々を幸せにする」と語っている。



👇以下、ネタバレ含みます👇
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【所感】
内容はクライムムービーなのだけど、ぱっと見だと、イカした爺さんのロードムービーにしか見えない。
イーストウッドの作品は、多くが淡々と物語が進むのだけど、今作も多分に漏れずフラットな構成の映画。

その中で、アールという個性的なキャラクターを演じるイーストウッド。
彼の円熟した(し過ぎ?)演技は流石👏
そして、リンカーン運転してるイーストウッド渋い😎
ブラッドリー・クーパーとのやり取り含め、こんな歳の取り方したいなぁと思わせる。

さらに、アールが栽培している、デイリリーの花言葉には「苦しみからの解放」という意味があります。
アールの立場から、また、アールの家族の立場から見ても「苦しみからの解放」という花言葉がぴったりのお話。
時間はお金では買えないとアールが言っていましたが、時間の使い方一つで、お金では買えないかけがえのないプレゼントを家族に贈ることができたのではないでしょうか?

【まとめ】
90歳にして、本当に大事なものに気づき、取り戻そうと努力したアール。
死にそうな別れた奥さんに「305キロのコカインをトラックに積んでいる」と告白するシーンは、滑稽にも見えるけど、不器用なアールの魅力を表している素晴らしいシーンだと思う😌
イーストウッド、いつまでも元気でね☺️