カルダモン

運び屋のカルダモンのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.6
生きているうちに今の世代に言っておきたいことがある、ってイーストウッドの声が今にも聞こえてきそう。心の声がダダ漏れの主人公アールはほとんどイーストウッド本人と見てもなんの違和感もなくて、自然体の力加減がたまらない。
作品毎に達人ぽさを増して、一体このお爺ちゃんはどこまで元気なのかと呆れるばかり。
こういう緩やかなテンポ感と余裕のある映画が好きで、見ている間中幸せが持続しているのを感じた。イーストウッドの映画と肌が合うんだろうな。もう90近いがまだまだ撮り続けて欲しい。

作中でイーストウッドが着る衣装の数々は過去作の『グラン・トリノ』や『トゥルークライム』などで使われたものと同じものだそうで、長年イーストウッドと仕事を共にした衣装デザイナーの遊び心が素敵。
劇中の娘役も実の娘アリソン・イーストウッドで、いろんな意味で自己投影が垣間見える。